2015年03月31日

早発早着は絶対条件?

 山歩きの原則は早発早着だ。
 これは間違いない。
 
 高尾山周辺だけ見れば、観光客を含めた客の高尾山口駅到着のピークは10時前後だろう。
 土日なら、この時間帯だと駐車場は既に満車だ。
 メインコースは渋滞が始まっていることもあるし、せっかく高尾山頂まで登っても、既に富士山は隠れていることが多い。
 高尾山を山として楽しみたいのなら、もう少し早く着いたほうがいいかと思う。
 
 これが陣馬山になると、出足はずっと早くなる。
 土日の高尾駅発6:55陣馬高原下行始発バスは、天気が良ければ超満員で、その直前に臨時の急行バスが出るほどだ。
 
 更に高い山になると、こんなものでは済まない。
 人気の山の登山口は、日の出前から駐車場が満車となる。
 金曜日の夜、職場から家に帰るとあたふたと準備を済ませ、夜の高速道路を飛ばして登山口に向かう。
 登山口に着くのは日付が変わった頃だろう。
 ここで登山者は、少しでも眠っておかなければならないという強迫観念が働く。
 狭い車内で膝に乾きものを乗せ、コンビニで買った生ぬるいビールを流し込む。
 そしてシートを倒して横になるのだが、次々と駐車場に入ってくる車のヘッドライトの光とエンジン音が気になり、眠れたものではない。
 
 ウトウトしたかしないうちに、辺りは白み始め、出発時刻になる。
 登り始めてから10分も経たないのに、呼吸が激しくなり、吐く息はアルコール臭い。
 五感は鈍ったままで、皮膚をつねっても痛くない状態だ。
 しかもたちが悪いのは、睡眠不足は睡眠を取る以外、解決方法はない。
 登山者は山歩きの長い初日を、睡眠不足という負い目を背負ったまま、歩き続けることになる。
 
 早発早着という山歩きの原則は確かにある。
 しかし、山歩きの目的のひとつは、健康増進にあるはずだ。
 そのためには、出発前の快眠、快食、快便が条件になることは間違いない。
 駐車場を確保し、早発早着しようとする気持ちは分かるが、それに支払う代償は、大き過ぎないだろうか。
 
 例えば、日光男体山登山のための二荒山神社中宮祠の無料駐車場は、シーズン中、暗いうちから満車となる。
 だが、ここから歩いて10分程度の中禅寺湖畔に一日310円の駐車場はいくらでもある。
 有料駐車場の利用は午前7時からだ。
 徹夜で午前5時半から登り始めるのと、家で十分な睡眠を取って7時過ぎから登るのと、どちらがいいだろうか。
 男体山の平均的な所要時間は登り4時間、下り3時間だ。
 この間に、睡眠組は徹夜組を抜かしても、不思議ではない。
 確かに、7時過ぎから登り始めて日が明るいうちに下山できるか心配な人もいるだろう。
 ただ、その人たちは、徹夜で5時半に登り始めても、ちゃんと下山できるかは疑問だ。
 
 那須岳登山口の峠の茶屋駐車場でも、シーズンの土日は午前5時には満車となる。
 ここが満車だとその下のロープウエイ駐車場、それもダメだと更に下の大丸温泉駐車場となる。
 大丸温泉駐車場は、満車となることはまずない。
 車で走ると大丸から峠の茶屋まではヘアピンカーブを何度も登っているので、あそこを徒歩で行けばうんざりするかと思うけれど、実際は車道をショートカットする歩道があり、たいしたことはない。
 登り30分、下り20分を見れば、十分だろう。
 大丸温泉駐車場に車を置けば、三本槍からの中の大倉尾根を通り、北温泉を経由する周回コースを取ることも可能だ。
 
 更に難関の燕岳登山口、中房温泉駐車場の場合を考えてみる。
 ここは、第1から第3駐車場に停められなかった場合、路駐となるので深刻だ。
 脚に自信がある人は、日曜日の午前9時以降に着くようにしてみてはいかがだろう。
 土曜日から燕山荘に泊まった人が、朝一番で下るので、その車の空いた後を狙うわけだ。
 下りが速い人なら、燕山荘から駐車場まで2〜3時間で着く。
 駐車場の入り口でしばらく待ち、車が出たらすぐに入れればいい。
 ただこれは、日帰りならかなりの健脚の人か、翌月曜日まで山中に居られる人に限るし、駐車場が確実に空く保証もない。
 
posted by 高尾評論 at 22:46| 東京 ☀| Comment(0) | 山の常識を疑う | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月20日

電車、バスの中で

山慣れしていると見られる人


1.朝早い時間帯の電車に乗っている
 
 山歩きは早発早着が原則

2.一番前の車両に乗っている
 
 京王線も中央線も、上りも下りも、一番前が比較的空いている。

3.電車の回数券を持っている
 
 よく登っている証拠

4.西東京バスの陣馬高原線で臨時急行バスに乗らない
 臨時急行バスが満員でも、すぐ後に発車する定期バスが空いていることはよくある。
 到着時刻もほとんど変わらない。

5.スマホで天気予報を見ている
 天気予報はどんな山でも必見。朝5時、気象庁発表の予報は見ておきたい。

6.電車が多摩川鉄橋を渡るとき、山の状態を確認する
 
 これから登る山がどんな状態か、場合によってはコースを変更する柔軟性も持ちたい。

7.座っている姿勢、立っている姿勢が良い
 腰骨を立てる。
 姿勢は山歩きの基本中の基本だが、意外におろそかにされている。

 
8.降りる駅の近くで、日焼け止めを塗り、靴紐を結び直し、水を一口飲む
 落ち着きがないと言ってしまえばそれまでだが、時間は大事。
 中には電車の中で弁当を食べたり準備体操をするツワモノもいる。

9.ペットボトルのシールが剥いてある
 ペットボトルの表面のシール、たかが数グラムだが、軽量化は大切。
 財布の中身や鍵でも余分なものは持たないようにしよう。
 みみっちい話だが、山歩きはみみっちい事の積み重ねだ。

10.電車を降りる直前で服を一枚脱ぐ
 電車を降りる前に一枚着るのが普通だろう。
 しかし山歩きをし始めると、5分もしないうちに体が温まり、結局は脱ぐことになる。
 ただ持病がある人には勧められない。

11.腕時計を衣類の上につけている。
 金属ベルトではそうはいかないが、長袖の服の上に腕時計を付けると、直ぐに見られる。
 特に冬は長袖や手袋をめくることから解放される。

12.駅の階段はゆっくりと登る
 普段歩くペースで階段を上ると、心拍数も呼吸数も急上昇する。
 体力は温存しよう。

13.守屋地図を持っている
 知る人ぞ知る、詳細地図。
 マイナーコースを歩くときの必需品


山慣れしていないと見られる人


1.Gパン又はぴちっとした綿パンを履いている
 
 汗や雨で濡れたとき、足が上がらなくなる。

2.駅の階段を一段置きで上り下りする
 本人は得意気なのかもしれないが、トレランを含め、大股での山歩きはあり得ない。
 体力の発揮は山に入ってから、それまでは体力を温存しよう。

3.リュックサックに物が全部入らない
 無理やり押し込んで、リュックをパンパンにしても、背中がゴロンゴロンして不愉快極まりない。
 トレランの人に限っては、余分なものはコインロッカーに入れるので例外。

4.尻リュック状態
 ここは渋谷でも原宿でもない。
 肩こりの原因に。

5.分厚い本を持っている
 二宮尊徳先生が高尾登山
 新聞紙は他に使い道があるので良しとする

6.階段を下るとき、一歩ずつ後傾になる。
 山道ならもっと後傾になるだろう
 そして尻もちをつくことになる。

7.足を「ハ」の字にして座る
 本人から見て「ハ」の字、つまり踵を離し、つま先をつけた状態で座席に座っている。
 山の登りでは足の裏全体を付けて登るため、踵が自由になる「逆ハ」の字が有利。
 また、「ハ」の字型は、山の下りで捻挫のもととなる。
 生まれつき足の構造が「ハ」の字型になっている人はいるが、可能ならば少しでも矯正しておこう

8.足の小指側に重心がある
 これも女性に多い。
 一歩を出すたびに状態が左右にぶれる。
「ハ」の字型で小指重心だと、捻挫の危険性がさらに高くなる。

9.腕時計の文字盤を手のひら側にはめている。
 昔、女性はこうすべきだと言われたのかもしれない。
 手首の内側には動脈が走っている。
 文字盤で皮膚を切ったり、手首の中にめり込んだ場合、大けがになる可能性が高い。

10.ストックがリュックから大きくはみ出している
 他人とのトラブルが嫌いならやめておこう。

11.駅のホームや階段で横に広がって歩く
 山道でこれをやると、大名行列になる。

posted by 高尾評論 at 21:19| 東京 ☔| Comment(0) | 山の常識を疑う | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月03日

1時間歩いたら10分休憩?

山歩きの本や山のホームページに良く書いてあることだ。
 これだと計算が面倒なので、もう少し算数のセンスがある本だと「50分歩いて10分休憩」と書いてある。
 高尾評論は医学の素養がないから分からないが、これは何かの根拠に基づくものなのだろうか。

 いずれにせよ、書いた本人を含め、山歩きする人がこれをどのくらい守っているだろうか、疑問だ。
 まさか、時計や携帯のタイマーで50分なり1時間をセットし、ベルが鳴ったらすぐに休憩する人はいないだろう。
 それでもグループ登山では、メンバーの体調をチェックする観点から、リーダーは定期的に休憩を取るようにしている。
 しかし、初心者が多いグループの場合、休憩時間を10分で切り上げるのは大変難しい。
 初心者の10分休憩と言うと、ザックを降ろしてドカッと座り込み、服を一枚脱ぎ、水を飲み、メールをチェックし、隣の人と一言二言かわし、さあ何か食べようかと思ったところで終わってしまう。
 ここでリーダーが「出発」と言ったら、メンバーから「鬼」と言われるだろう。
 鬼リーダーがいなければ、そうこうしているうちに、軽く30分は経過する。
 初心者登山で実際の行程が予定よりも大幅に遅れる原因としては、歩くスピードが遅いということよりも、休憩に時間を取り過ぎるケースの方が多いはずだ。

 そもそも、山歩きで休憩を取る意味は何なのか。
 疲れを取るためのものではないか。
 もし疲れがなければ休憩そのものが必要ないのではないか。
 高尾評論では、疲れない歩き方を理想としている。
 呼吸数は安静時と同じ、心拍数も極力上げない歩き方を良しとしている。
 上体はぶれず、肩に力を入れず、膝を柔らかく使い、余分な筋肉の疲労もなくすよう提唱している。
 となると、休憩はやはり、必要ないのではないか。

 そういう高尾評論自身も、少なくとも単独での登りは、標高差千数百メートル程度ならほとんど無休憩で歩く。
 途中で止まるのは、水分補給と体温調整くらいだ。
 大休止は、景色の良いところまで取っておくことにし、山行の前半はなるべく道草を食わないようにする。

 もちろん、少しでも気になることがあれば、確かめることは必要だ。
 靴の紐が緩んだとか、財布や弁当をザックに入れたか心配だとか言うときは、いったん止まって確認した方が精神衛生上もいい。








posted by 高尾評論 at 08:06| 東京 ☀| Comment(4) | 山の常識を疑う | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月02日

山歩きでカロリー消費?

 五合目から富士山頂までの山歩きで消費されるカロリーは、フルマラソン以上になるそうだ。
 高尾山口から高尾山頂まで徒歩で往復する場合でも、服、靴、ザックの中身まで全部含めて体重60kgの人では、600kcal以上を消費する計算になる。
 ご飯2〜3杯分に相当するカロリーだ。
 格好のダイエット手段だということで、山歩きを始める人も多いことは事実だ。
 高尾を歩いていても、うれしそうにカロリーを使った話をし、その後の打ち上げの計画を立てている光景に良く出会う。

 山歩きでエネルギーをたくさん消費しようと思ったなら、やり方はいくらでもある。
 稲荷山や病院前コースを大股で体をゆすりながら駆け上がり、それを限界まで続け、意識が朦朧としたところで倒れ込む。
 そして意識が回復したらまた大股で駆け上がる。
 これを続ければ普通に登った時の数倍のエネルギー消費は簡単に実現できるだろうが、それは消費と言うよりも浪費というものだ。

 地球温暖化が危惧され、世界中で省エネが推進される中で、人間自身の活動に関するエネルギーだけは野放しで浪費が推奨される風潮はいかがなものかと思う。
 例えば山歩きと同じ移動のための道具である車や電車は、ハイブリットや回生制動技術の進歩で20〜30年前の半分のエネルギーで動くようになっている。

 ある程度の負荷をかけて新陳代謝を促すことは、体にとっても好ましい事だろう。
 しかし、がむしゃらに体を痛めつけて活性酸素を発生させ、その後の暴飲暴食の免罪符とするのは、どう考えても体がかわいそうだ。
 
 この際、山歩きも省エネに徹してみてはいかがだろう。
 目標の山に登るのに、いかに心拍数、呼吸数が少ない状態で達成するか。
 心拍数がある程度上がるのは仕方ないとして、呼吸数は普段の状態を保ったまま、いつまでも歩いていられるだろうか。
 ただのろのろと歩けばいいと思う人もいるかもしれないが、高尾山口から高尾山頂までノンストップでこれを続けるのは、初心者の場合、結構難しいと思う。
 コツとしては、勾配に敏感に反応し、少しでも急な登りがあれば、ためらわずに歩幅を縮めることだ。
 ちょうど、自転車で登り坂に差し掛かった時、ギヤを落としてお尻を浮かさないでも登るような要領だ。
 また、姿勢についても注意したい。
 背筋を伸ばし、常に鉛直方向に上体を向け、しかも上下、左右、前後のブレを極力少なくすることだ。
 こう考えると、省エネを追求した歩き方と言うのは、実は山歩きの理想としているものであることが分かる。
 普段、高尾などの低山で、省エネ歩きを実行していれば、いざ高い山に登った時も、安全や効率の面で、必ず役に立つはずだ。
 
 そんな歩き方では、思った通りカロリーを消費できないという人もいるだろう。
 それならば同じ省エネ歩きでもっと長い距離を歩けばいい。
 それでも物足りない人は?
 残念ながら、摂取カロリーを制限するしかないだろう。
 
 
 
posted by 高尾評論 at 19:37| 東京 ☀| Comment(0) | 山の常識を疑う | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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