2014年04月08日

外秩父七峰の楽しみ方

 東武鉄道が主催する外秩父七峰縦走ハイキングは、ゴールデンウィーク前の日曜日に開催する春の風物詩だ。申し込んだ人には既に封書が届き、関東周辺に本格的な山歩きシーズンが来たと実感している人も多いだろう。
 この欄は、いつもトレランをしているアスリートではなく、普通の健脚を自認する人用に述べる。外秩父七峰を一回で踏破したい人、高尾山域で言えば、高尾山口駅と陣馬山の間を余裕で往復できる人くらいを対象にしたい。
 
 まず、このコースは、山屋の観点でみると、そんなに魅力的ではない。何と言っても車道が半分以上を占めているからだ。そこで悩みどころは靴の選び方だ。山歩きの原則は、一番厳しい条件に合わせて靴のグレードを選ぶのだが、車道を時間にして半分、距離にして2/3近くを占めるこのコースでは、本格的な登山靴では非効率この上ない。とは言っても、去年のように後半の山区間で積雪があると、スニーカーでは中に雪が入るし捻挫はしやすいし、大変な目に遭うことは明白だ。直前まで路面の情報を仕入れ、山道歩きが苦手な人は山靴に近いもの、車道歩きが苦手な人はスニーカーに近いものを履くようにしたい。また、コース途中に飲み物、食べ物を売っている場所は結構ある。これらを当てにするのなら、荷物を軽くすることができる。


初めての人は東武竹沢から

 小川町駅前で受付をした後、石尊山に向かって直接歩き出すコースと、東武竹沢まで電車に乗り直し、そこから歩くコースに分かれる。恐らく8割くらいの人が小川町から直接歩き出すと思うが、ここは絶対、東武竹沢経由を推薦する。
 いろいろなブログで紹介されている通り、小川町から直接歩き出すと、石尊山の手前の山道から大渋滞に引っかかる。この渋滞を避けるには、6時前に小川町受付に着き、受付を済ませたら車道を猛ダッシュする必要がある。渋滞に引っかかった時のイライラは、健康増進という山歩きの目的を著しく傷つける。
 それでも石尊山経由を選ぶのは、日本人の根のまじめさというか、完璧主義から来ているものだろうか。東武竹沢経由は何となく反則だという罪の意識が出てきてしまうのと、石尊山経由だと歩行距離がマラソンと同じ42.195qと表示されているのが魅力なのだろう。  
 しかしどう見ても小数点以下の0.195qは信ぴょう性がない。東武竹沢経由でも自宅と駅の往復、駅での乗り換え、ゴールの鉢形城公園(今年からここに変わったようだ)から寄居駅までの距離を足すと、優に42qは超えるだろうから、それで良しとしよう。渋滞にはまったことでタイムオーバーとなりゴールまでたどり着けなければ何のために石尊山を経由したのか分からなくなる。長距離の山歩きの鉄則は、前半は極力寄り道を少なくし、時間を確保することだ。
 それともうひとつ、東武竹沢経由だと、トイレの確保がしやすくなる。小川町駅のホームに着くと取りあえず受付のポールポジションを取ることしか考えていないし、受付を済ませると一斉に小走りを始めるので、トイレのことはすっかり忘れている。東武竹沢まで行くとなると、小川町駅で再び電車を待っている間にトイレの事を思い出すかもしれないし、東武竹沢駅や歩き始めて15分くらいのところにあるトイレも、それほどの大混雑にはならないだろう。


マイペースを保ち、休憩は少なく

 さて、東武竹沢から出発しても、約40qを歩くことになる。最初は気がせいて、どうしても速足になりがちだ。特に、いろいろなブログで渋滞のことが述べられていて、早く山道を通過しないと渋滞につかまる事が気になり、ますます急いでしまう。
 しかし、普段歩いた事のない速度で歩けば、長丁場で破たんするのは目に見えている。ここはあくまでも、いつものペースで、姿勢を正し、上体をぶらせず歩きたい。舗装路でもかなりの標高差を稼ぐところがあり、心拍数を極端に上げないようにしたい。


車道と山道との分岐では、迷わず車道

 高尾評論は「山歩きは山道で」というスタンスをとっているが、ここでは逆だ。和紙の里から萩平十字路までは、車道と山道のどちらを選んでもいい個所があるが、ここは車道を選ぶ。山道に入ってしばらくすると渋滞が始まり、ペースを乱される。


渋滞に巻き込まれたら足踏み

 萩平から笠山の登りでは、渋滞は避けられないだろう。渋滞時に良く見られるのが、数秒に1回、どっこいしょと大股を開いて山道を1歩登り、残りの数秒間はただ休んでいる風景だ。これだと体が冷やされ、逆に疲れが溜まる。せっかく、楽をできる時間をもらったのだ。街中のジョギングで赤信号になると足踏みをするように、今までの歩くペースを乱さず、歩幅をごくごく小さくとりながら進み、体を冷やすことなく体力を温存することだ。

山歩きよりも、徒歩旅行を楽しむ

 外秩父七峰縦走は、純粋な山歩きと言うよりも徒歩旅行だと考えたほうが楽しい。
 もう29回も開催している大会だから、スタッフも慣れている。受付や途中の道案内では、会費無料とは思えないサービスを受けられる。立ち寄りたくなる模擬店も多いが、時間が限られているのが惜しい。
 前半では、萩平の集落は花が見頃だろう。田舎道を車で走れば、このような風景はまだ日本のあちこちに残っているとは思うが、せっかくの歩きだから堪能することにしよう。
 後半の秩父高原牧場の面積は352ヘクタールあり、高尾にはないスケールだ。ちなみに我が明治の森高尾国定公園は、全部足しても770ヘクタールだ。
 午後3時半くらいに大霧山や皇鈴山、登谷山付近では蒸気機関車の汽笛を聞くことができる。秩父鉄道を走るパレオエクスプレスだ。
posted by 高尾評論 at 19:56| 東京 ☀| Comment(0) | 高尾以外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月22日

健脚高尾的鎌倉混雑対応

 高尾の紅葉が一段落したら、次は鎌倉だろう。
 鎌倉も高尾に負けず、観光客でごった返す。

マイカー
  鎌倉は高尾と同様、マイカーが最も向かない観光地だ。
  確かに、パーク&ライドとして、由比ヶ浜、稲村ケ崎、七里ヶ浜、江の島に駐車場があり、ここから江ノ電かバスを利用する手はある。
  しかし、この駐車場まで行くのが大変だ。
  特に、高速をなるべく使おうとすると、横横道路を朝比奈ICで降りるが、鶴岡八幡、鎌倉駅前という渋滞のメッカを通る。
  ただでさえ狭い鎌倉の通りに観光客の車が入ると、地元民の車はもちろん、バスまでも動かなくなる。

江ノ電
  鎌倉の風景の一部となっており、テレビの旅番組でも鎌倉が出れば必ず江ノ電も出てくる。
  ツアーによっては、わざわざ江ノ電に乗るコースもあるほどだ。

  長谷寺や大仏に行くには、鎌倉駅から長谷駅まで江ノ電に乗り、長谷駅から歩く人が大部分だろう。
  しかし、土日の晴れた日に行くのなら、江ノ電に乗るよりも、鎌倉駅から全部歩きをしてしまった方が早いことが多い。
  土日の江ノ電の混雑は相当なもので、電車を1本乗り過ごすことも少なくない。
  単線だから、12分間隔を増やすことはできないし、遅れが出ると雪だるま式に広がる。
  シートのレイアウトは横向きなので、せっかく座っても景色は良く見えない。
  もともと、神社仏閣がある鎌倉から極楽寺社までは、海が見えないし、名物の道路との併用軌道を通ることもない。

  但し、御霊神社のすぐ脇や長谷寺の上から見る江ノ電は、なかなか絵になる。
  土日の日中の寺社社巡りでは、江ノ電は、乗る電車よりも見る電車だろう。
  江ノ電に乗るのなら、混むこと覚悟なら冬の日没前後の稲村ケ崎、腰越間か、ガラガラになる日曜日の終電近くがお勧めだ。

バス
  申し訳ないが、高尾評論は、鎌倉市内の路線バスに乗ったことはほどんどない。
  だから確かな事は言えないが、高尾評論の歩きと競争して、歩きが勝つことはよくある。
  路線バスのストレスは、バスに乗って動かないことだけでない。
  バス停で待っていても、いつ来るか保証がない訳だ。
  だから、もし路線バスに乗るのなら、始発から乗るか、本数が多い路線を選ぶべきだろう。
  鎌倉市内のバスがこうなるのは、路線バスが悪いわけではなく、不要不急で体力が余っている観光客がマイカーで来すぎるからだ。

  それでもバス派の人ならば、開き直って定期観光バスに乗ってはいかがだろうか。
  定期バスよりも一桁高い運賃が必要となるが、アットホームな雰囲気と、目的地を見た後、暖房が入ったバスの車内が待っている。
  もっともこのブログを読む人で、定期バスを利用する人はごく僅かだろう。

自転車 
  このような観光地だと、安易にレンタサイクルを思いつく人が結構いるようだ。
  鎌倉には、自転車専用道がない。
  海岸通りは別として、歩道もほとんどないし、あっても貧弱だ。
  主な神社仏閣へ行く道など、歩道から車道まで人があふれている。
  その間を自転車が走るのだから、よほどの度胸が必要となる。
  また、鎌倉の中心街から北鎌倉地区へは、勾配が急な峠越えがあり、変速機付でないと厳しい。

  それでも自転車に乗るのなら、最低限、暖かい手袋を用意し、ズボンの裾が引っかからないようにしよう。
  それから、タイヤに空気が入っていることを確認しよう。

  もし高尾評論が鎌倉で自転車に乗るとしたら、神社仏閣は全てあきらめ、海岸通りを潮風に浴びながら逗子や茅ヶ崎まで走る。

人力車
  鎌倉巡りには一番いいのではないか。
  外見が申し分ないお兄さんが、車道や裏道を疾走する。
  目的地での解説も面白く、高尾評論はお兄さんの隣で聞き耳を立てている。
  裏道もなかなか渋い所を選んでいて、高尾評論はその後を付けていって、結構得をしている。

 全部歩きこそ、鎌倉観光の神髄
 鎌倉の主な神社仏閣は、5q四方にほぼ収まる。
 その中で、いつ来るか分からない乗り物を待ち、ほんの少しの区間を乗るくらいなら、全部歩いてしまうのが、時間的、経済的、精神的に一番得な感じがする。
 移動手段を乗り物ではなく、すべて自分の足に任せるのだ。
 日頃高尾で鍛えた足腰なら、鎌倉観光でも使える。
 しかも山の中と違い、疲れたら途中でいくらでもリタイヤでき、江ノ電やバスを使って帰ればよい。
 山歩きが好きな人は、小町通りや若宮大路の混雑は耐えられない人が多いだろう。
 だから、山歩きに近いハイキングコースを駆使し、鎌倉を一周することにしよう。


3つの代表的ハイキングコースを駆使し、鎌倉市内を一周
 起点、終点はJR北鎌倉駅とする。
 これが電車賃も一番安く済むだろう。
 電車の本数は、横須賀線、湘南新宿ライン合わせて10分弱に1本の割合だから、高尾山口発着よりやや多い。
 コースは鎌倉駅を中心として、右回りに1周する。
 天園、祇園山、大仏の3ハイキングコースを通り、祇園山と大仏との間は材木座海岸と由比ヶ浜の砂浜を歩く。
 3つのハイキングコースは、インターネットでもたくさん紹介されている。

天園ハイキングコース 
  北鎌倉の臨時改札口を出るとすぐに円覚寺だ。
  東慶寺や浄智寺も近いが、この2寺は帰りに寄ったほうが効率的だ。

  天園ハイキングコースは、普通、建長寺の半蔵坊から入るが、これだと県道21号線の踏切から建長寺入り口までが大変な混雑にぶつかる。
  歩行者は歩道から車道へはみ出し、危険この上ない。

  だから、踏切手前から明月院に方向に曲がり、明月院を右に見ながら車道を進む。
  車道右にハイキングコースの表示が出たら、そこを右に入りかなり急な車道を登り、ハイキングコースに入る。
  まもなく行くと、勝上けん展望台だ。
  真下には建長寺が見える。
  建長寺へは展望台からの道を半蔵坊を経由して下ればよい。
  仏殿、法堂、方丈などがある建長寺中心部は、ほぼ標高差100mほど下がるが、既に体が温まっているので、往復してもそれほど疲れないだろう。
  なお、半蔵坊からは勝手口を通ることになり、入場料300円は徴収されないので、正門で支払うか、賽銭で代替することにしよう。

  勝上けん展望台からさらに進むと鎌倉市最高峰の大平山を経て、天園に着く。
  天園から獅子舞を経由し、覚園寺、鎌倉宮まで行く事もできる。
  紅葉が見事だが、谷沿いの道は足場が悪いことがある。
  ゴルフ場を道なりに進み、貝吹地蔵を過ぎ、瑞泉寺の上で道は二股に分かれる。
  天園ハイキングコースは右の瑞泉寺で終わる。
  もし瑞泉寺、荏柄天神社、鎌倉宮などに行くのならここを下ればいいのだが、十二所、朝比奈切通、浄妙寺、報告寺、杉本寺に行くのなら、左の細い道を行く。
  人通りの少ない道で少し心配になるが、程なく明王院の前に出る。

  後は金沢街道沿いを寺社を巡りながら歩く。
  鶴岡八幡宮は寄り道になるが、そう遠くはない。

祇園山ハイキングコース
  若宮大路の向かって左の通りで、宝戒寺を左に見て、東勝寺跡を過ぎて、祇園山ハイキングコースに入る。
  妙本寺の道を分け、あっけなく八雲神社に出る。
  
  これで前半戦は終了だ。
  ここで寺社巡りを打ち切るのなら、鎌倉駅は近い。

  妙法寺、安国論寺、長勝寺、光明寺などを巡りながら、海岸線に出る。


 材木座海岸、由比ヶ浜
  せっかく湘南まで来たのだ。
  砂浜も歩こうではないか。
  まずは材木座海岸だ。
  続いて由比ヶ浜まで行きたいが、滑川の河口では、一旦国道134号線に戻る必要がある。
  由比ヶ浜を適当に歩き、国道134号線を跨ぐ。


 大仏ハイキングコース
  成就院、極楽寺に寄った場合、極楽寺からさらに車道を登りつめると、長谷配水池横に出る。
  少し藪が深い時もあるが、すぐに大仏トンネルの上を通り、大仏ハイキングコースに合流する。

  長谷寺、光則寺、長谷大仏を通る一般コースなら、大仏から県道32号線を藤沢方面に進み、トンネルの手前を右に入る。
  佐助稲荷、銭洗弁天は、ハイキングコースからかなり下ることになるが、この2社は鎌倉駅から歩いても不便な所にある。
  わざわざ寄る価値は十分ある。

  葛原岡神社は、3ハイキングコースの中で唯一、コース内にある寺社だ。
  ここを出ると一気に下り、浄智寺の脇を通って県道21号線に出る。
  北鎌倉駅の前に、東慶寺もある。


まとめ
  このコースを全部歩くと、高尾山口から陣馬高尾縦走路を通って陣馬高原下へ行くよりも、距離が出る。
  さらに神社仏閣に寄る時間を考慮すると、1日では回りきれない可能性がある。
  しかし、そこは鎌倉の強みで、適当なところで中断し、次の機会に残りを歩くことはいくらでも可能だ。
  
  紹介した3コースは、たかが鎌倉と侮れない。
  大仏コースの一部を除き、」いずれも山道で、高尾のメインコースよりも荒れている。
  粘土質の道は滑りやすいし、人によっては木の根を掴みながら上り下りすることもある。
  その点では、高尾へ行くのと同じ格好で臨んだ方がいい。
  ただ、寺の方丈へ上がる時など、ハイカットの靴では脱いだり履いたりするのが大変かもしれない。

  このコースで回りきれなかったのは、主に鎌倉駅北部の海蔵寺、英勝寺、寿福寺、妙伝寺、浄光明寺などだ。
  立ち寄るか寄らないかは別として、このコースを一周すれば、主な神社仏閣の8割は網羅することになる。





posted by 高尾評論 at 18:47| 東京 ☀| Comment(0) | 高尾以外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月13日

高尾的北アルプス登山 ー唐松岳日帰り登山ー

この時期、高尾評論の中でも本記事のアクセス数が最も多いので、少し詳しく述べることにした。


唐松岳往復の概要

陣馬高尾を普通に歩けるくらいの人が、その感覚で、「北アルプス」と名が付く山へ登れないだろうか。
つまり、
1.山小屋での宿泊なし
2.朝食を食べてから出発可能
3.危険個所なし
4.日没前に確実に下山の条件を満たしている山はないだろうか。
 高尾評論の一番のお勧めは、八方尾根経由の唐松岳往復だ。
 もうひとつ、室堂から立山までのコースがある。
こちらの方が標高が高く、登山的には楽だが、扇沢からアルペンルートで4回乗り換えるため、シーズン中はアプローチに時間がかかるし、金額も往復8800円かかる財力登山になる。
普段高尾付近を歩いている人にとっては敷居が高すぎるだろう。

 唐松岳の標高は2696m、後立山連峰の鹿島槍と白馬岳という2大巨塔に挟まれた弟分であるが、北アルプスと言う日本の背骨の上に堂々と立っている山だ。
 山頂からの風景は、北アルプスそのものだ。
 正面に剱岳がでんと構えている。
 その下は、標高差2000mもある黒部渓谷だ。
 黒部ダムもほんのちょっと見える。
 槍ヶ岳、穂高岳、立山、そして白馬岳。北アルプスの主な山はほとんど見渡せるし、南アルプス、富士山、八ヶ岳、浅間、菅平、志賀、妙高、戸隠なども天気が良ければ同定できる。
 そして、東側の盆地がまたいい。
 松本平から安曇野、そして今登ってきた姫川流域の田園地帯が眼下に見える。

 コースは単純なピストンコースだ。
 登りと下りと別な道をとる方が楽しいかもしれないが、安全上はこの方が好ましい。
 というのは、登りに通った道を覚えているため、下りで道を間違える危険性も低いし、下りの所要時間もだいたい読めるからだ。
 取りつきの八方尾根の特色は、リフトを降りて、歩き始めたところから木がほとんどないことだ。
 途中、下の樺、上の樺という樹林帯が少々あるが、あとはずっと展望の良いコースなのだ。
 ということは、途中で引き返しても、苦労して登ってきた分の景色は堪能できるわけで、それまでの努力が水の泡とはならない。
 天下の北アルプスも、登山口の標高は意外と低く、最初は樹林帯を延々と歩くところがほとんどだ。
 八方尾根は例外的に景色が良い道なのだ。

唐松岳往復の実態

 ガイドブックや山の本を見ると、このコースはみんな、「1泊2日」になっている。
 実態はどうだろうか。
 シーズンの朝イチのゴンドラ乗り場は長蛇の列だし、黒菱平の駐車場もすごい混雑だ。
 あれを見ると、唐松岳へ登る人は軽く1000人を超えている。
 その人たちがみんな、唐松岳の唐松頂上山荘に泊まるとなると、山荘の収容人数350人ではとてもさばき切れない。
 ふとん1枚に3人が寝て、廊下まで使っても、はみ出す人が出るだろう。

 と言うことは、唐松岳の往復だけの人の過半数は、日帰りをしていることになる。
 山の本ではみんな1泊になっていて、実際は過半数の人が日帰りをしている。
 これはどういうことなのか。

 ひとつの理由として、山の本では、責任上、どうしても安全サイトに紹介してしまう傾向があるのだろう。
高尾評論のように遊びでブログを書くのとは違い、お金をもらって執筆する人は、日帰りでも登れますよと書けば、自称健脚で実力の伴わない人がその気になってしまわないか、心配になるのだろう。
むしろガイドブックで積極的に書いて欲しいのは、白馬大雪渓で落石が多いとか、槍の穂先で落雷が多いと言うことだが、そのようなことはその山域のマイナスイメージとなるので書くに書けないのだろう。

 もうひとつは、別に意識をしなくても、山小屋の肩を持つことになってしまうことだ。
 山小屋の仕事は大変だ。
 登山道の整備、場合によっては登山道の開拓までやっている。
 登山者には情報を提供し、適切なアドバイスをする。
 もし遭難者が出れば、率先して救助をしなくてはならない。
 これらを無償でやっているわけだから、山小屋に泊まるか、少なくとも何か買わないと、とてもやっていけないと思うのが人情だ。
 最近、山歩きの人口は増えているが、山小屋の収入は、それに比例して増えているわけではないのだ。

 山小屋の良さは、泊まってみなければ分からない。
 まず、何と言っても景色が素晴らしい。
 高い稜線に立って、日の入や日の出を見下ろしながら眺めることができる。
 夜は漆黒の山頂をバックに、かなりの近眼の人でも天の川がくっきりと見える。
 盆地の夜景もいい。
 富士山や丹沢の山小屋なら、首都圏の豪華な夜景も見られるだろう。
 それに、山小屋に泊まった人どおしで貴重な情報収集をとることができる。
 しかし、山小屋も空いていればそれなりに快適だが、休日はどうしても混むことになる。
 個室がある場所は別として、山小屋は相部屋が原則だし、混んでくると、1枚の布団に2,3人で寝ることもある。
 そうでなくても、初めての山小屋はいろいろと緊張することもあるだろう。
 よくブログなどでも一睡も寝られなかったと書かれていることも多い。
 せっかく余裕のある山歩きを楽しむために泊まった山小屋で、心身ともに疲れ果て、翌日の山歩きに支障が出るようでは困る。

 弾丸登山と言う言葉が流行っている。
 暗いうちに車で駐車場に乗り付け、すぐに山に駆け上り、1日中歩き回り、すぐさま駆け下り、車で立ち去る。
結局、山中にも、麓にも一円も落とさずに帰っていくのだ。
その間に遭難でもしたら、さらに迷惑がかかる。山の関係者にとっては嫌な連中だろう。
 山小屋に泊まり、花を見たり写真を撮ったりしながらゆっくりするのは、山歩きの形態のひとつだ。
 それと同じように、基礎体力とある程度の技術を身に着け、自信を持って歩くことも山歩きの形態のひとつだと思う。
 山歩きの世界では、体力と技術の向上という話は、あまり出てこないのが現実だ。
 しかし、自分のできる範囲で基礎体力をつけ、本やネットを調べながら技術を磨こうとすることは決して悪くはない。
 そのためには、普段、身近な高尾に登り、試行錯誤を繰り返しながら体力や技術の向上を目指すことも選択のひとつに入れておきたい。
そして、北アルプスに登る時は、普段高尾に登る時よりもほんの少し余裕を持った計画を立ててほしい。

唐松岳日帰り往復の条件

 話を八方尾根経由の唐松岳往復に戻す。
 ヤマケイのアルパインガイドで標準歩行時間は往復で6時間25分となっている。
 ちょうど、陣馬高尾縦走路を高尾山口から陣馬高原下まで歩くのと同じくらいの標準時間だ。

高尾評論の経験から、もう少し具体的に所要時間を比べてみよう。
高尾山口駅の改札口から陣馬山頂まで、ケーブル、リフトを使わないで3時間で登れる人を例にとる。
高尾山、小仏城山、景信山を巻いても構わないから休憩時間を含めてこの時間でこなせる人は相当な健脚だ。
この人たちなら、登山道で渋滞がなければの話だが、グラードリフト終点から唐松山頂まで2時間で登れるはずだ。
雷の予報が出ていなければ、白馬村の宿で朝食をゆっくり食べてから出ても、十分間に合う。


高尾山口から陣馬山頂まで4時間半かかる人は、どうなるのだろう。
昼食など、大休止をとらずにこの時間で歩いた人は、標準か、ちょっと速めな人だろう。
単純な比例計算で行けば、唐松岳山頂まで3時間で登れることになる。
だが、実際は3時間半程度かかるだろう。
唐松岳は北アルプス入門の山でいわゆる難所は1箇所もないが、ここは登りの連続なのが、陣馬高尾縦走路との一番の違いだ。
連続勾配を効率よく登るためには、足を着地する位置を的確に判断し、一定の速度を保ちながら標高を上げられるだけの集中力と心肺機能が備わっている必要がある訳で、その差が唐松岳の方が出やすいからだ。
帰りの時間も余裕を持つ必要があるため、宿の朝食はお弁当に替えてもらって、少なくとも朝8時半にはリフトの終点に着いているようにしたい。

高尾山口から陣馬山頂まで昼食なしで5時間以上かかる人なら、残念ながら唐松岳日帰りはあきらめたほうがいい。




八方尾根登山の注意点

 ただ、そんな八方尾根も良い所ばかりとは限らない。

 まず、何と言っても高山だ。
 天候が荒れた場合の怖さは、高尾山の比ではない。
 今まで半袖で登っていても暑かったのが、上着と雨具の2枚を羽織っても、まだ寒いということもある。
 風の強い日、唐松岳山頂付近は、小石が文字通り、飛んでくる。
 また、木がほとんどない八方尾根は落雷の直迎気を受ける可能性が高い。
 下山の時に頼りになるリフトも、雷や風の強い時は運休になってしまう。

 次に、北アルプスの人気コースである八方尾根は、渋滞が良く起こる。
八方尾根の渋滞は、高尾よりも悲惨だ。
絶対的な登山人口は高尾よりもはるかに少ないが、八方池から先は道が狭く、抜かせるところが限られているためだ。
それに、高尾と違い、20人、30人規模の団体が一列になって登っている。
この団体をごぼう抜きすることは不可能で、団体のリーダーが気を利かせて譲ってくれるのを待つしかない。
下りも同じことが言える。
山は登り優先だから、下りは延々と待っている必要がある。

 その次は、八方尾根のうち、下の樺よりも標高が低い場所にある岩の多くは、蛇紋岩という滑りやすい岩だ。
 谷川岳や尾瀬の至仏岳でも登山者を悩ませている岩で、人通りが多いところほど磨かれ、特に雨の日の下りはつるつると滑りやすい。
 と言っても、むやみに怖がる必要はない。
 滑りそうな岩はなるべく乗らないようにする。
 やむを得ず乗らないとならない場所にあるときは、岩の平坦な部分に足を乗せ、岩の斜面には乗らないようにする。
 後は、他の山道と同じように、肩の力を抜き、へっぴり腰にならず、堂々と下ればよい。

 最後に、子細な事だが、マムシがいる。
 普通、ヘビ嫌いな人は薄暗い樹林帯を嫌がる傾向にあるが、このように明るい尾根筋にもいるものはいる。
 基本的にはおとなしい動物であり、歩行中はほとんど問題がないと思うが、休憩をとる際、周囲を見渡し、お尻をつく所やその周りを一応確認してから座ることにしよう。
 これはヘビに限らず、クマやハチやヒルの被害から身を守るためにも重要な事だ。


八方尾根までのアプローチ

 首都圏からマイカーで日帰りも不可能ではないが、渋滞なしでも往復7時間かかることを考えると、少なくとも前日は八方地区に泊まっておいた方が無難だろう。
 高尾評論のテーマである「普段の生活と変わりない山歩き」という観点でも、首都圏を前日に出発し、夜中に駐車場に到着して仮眠することは避けたい。

  八方の駐車場は、燕岳登山の有明温泉駐車場、常念岳登山の一ノ沢駐車場などとは違い、朝遅くついても十分に駐車できるスペースはある。
 また、八方はスキーシーズン用に宿のキャパシティーが多いので、お盆や連休を除けば比較的簡単に予約できる。
 せっかく唐松岳に登るのなら、天気がいい日に限る。
 宿にこだわらない人ならば、出発前日くらいまで待って、天気がほぼ確定してから予約したほうがいい。  素泊まりならばひとり2千円から3千円台でも泊まれるところがある。

 但し、公共交通機関を使う場合、JRの特急や高速バスの指定券は早めにとっておいたほうがいい。
 キャンセル料は、JRは出発の2日前までが320円、発車直前までが料金の3割、高速バスは発車直前までわずか100円だ。
 天気予報が思わしくない場合、思い切ってキャンセルする勇気も必要だ。 
 
 八方尾根の取り付きには、麓からゴンドラとリフト2本を乗り継ぐ八方アルペンラインと黒菱平まで車で登りリフト2本で行く黒菱ラインとの2つの方法がある。

 公共交通機関なら、必然的にアルペンラインになる。
 八方インフォメーションセンターのバス停からゴンドラ乗り場まで徒歩10分弱だ。
 アルペンラインはゴンドラ乗り場に駐車場があるが、有料だしすぐに満車になるため、車なら八方第3駐車場から歩くのが無難だ。
 第3駐車場が満車なら、第2、第5、第6駐車場が利用できる。
 ゴンドラの往復券は、宿で買っておこう。
 八方地区の宿では1割引きになるし、ゴンドラの切符売り場で長蛇の列に並ばずに済む。

 黒菱ラインは本格的な林道だから、運転が苦手な人は勧められない。
 カーナビも、黒菱平を検索できないものが多い。
 道としては、八方インフォメーションセンターのある「八方」交差点から猿倉方面に車を走らせ、ちょっと行くと左に標識が出ている。
 その後も案内板は頻繁に出ているので迷うことはないと思うが、すれ違いの困難な箇所が多く、谷側もガードレールがついていない。
 所要時間は八方交差点から30分を見ておいた方がいいだろう。
 ゴンドラ、リフト代は、アルペンラインと比べると、正規料金で1800円安くなるが、ガソリン代、車の消耗、体力と集中力の消耗を天秤にかけると、どちらが得かは分からない。
 高尾評論としては、単独行なら、車好き以外はアルペンラインの方がいいような気がする。
 ただ、黒菱ラインのメリットとしては、最終リフトに乗り遅れた場合、冬ゲレンデとなる牧場を、徒歩で黒菱平まで下る方法が残されている。


八方尾根コース案内

 一番上のグラードリフトの終点が、八方池山荘だ。
 向かって左側の建物では、昼食が取れるし、宿泊もできる。

 尾根の左側に付けられた広い道が一般的だが、尾根上を進む道もある。

 一般用の道は、シーズン中は一般登山者も混じり、長蛇の列だ。
 7月を中心にニッコウキスゲが咲いている。
 やがて左側通行の木道となる。
 気の短い人は、右の木道に出て追い抜きを始める。

 尾根上の道は、かなりの急な傾斜を登ることになる。
 通行を控えるような看板が立っているが、場所によってはそれがなく、徹底はされていない。
 一般道があまりにも混んでいる時は、こちらの道の方がずっと快適だ。
 登山開始直後とは思えないほど、雄大な景色が広がる。

 両方の道が合流したところが第2ケルンだ。
 ここにチップ制のトイレがある。
 この先は、唐松岳山頂山荘までトイレはない。

 合流した後は、岩が敷き詰められた道を八方池に向けて登って行く。
 シーズン中はすごい混雑だが、道が広いので、この区間は追い抜きが比較的簡単だ。
 左にある大きな八方ケルンを過ぎ、急斜面をひと登りすると、八方池だ。
 
 八方池は、浅くてそれほど澄んでいなく、こう言っては申し訳ないが大きい水たまりのようなものだ。
 しかし、その背後にそびえる不帰の嶮の迫力はすさまじい。
 反対側には、平川を挟んだ遠見尾根の先に、五竜岳や鹿島槍が聳えている。

 大休止を取りたくなるところだろうが、先を急ぐことにしよう。
 時間が限られている時の山行は、まず目的地まで行くのが原則だ。
 帰り道、時間が余ったらゆっくりすることにしよう。

 八方尾根自然研究路は八方池までになっていて、この先は登山者専用の道と書かれている。
 とは言え、八方池から道がいきなり急になったり難所が現れたりする訳ではない。
 変わるのは、道が狭くなり、すれ違いに時間を要したり、追い越しができなくなることだ。

 まもなく下の樺という樹林帯に入る。
 樹林帯と言っても、明るい道で、ところどころで周りの山を見ることができる。

 一見、なんでもない道だが、ずり落ちたら大変なので、無理な追い越しを掛けるのは止めておこう。
 この辺で、唐松岳までの中間点となる。

 今度は、上の樺と言う樹林帯に入る。
 途中に扇雪渓があり、秋口でもまだ雪が残っていることが多い。

 ひと登りで丸山ケルンに出る。
 展望は申し分ない。
 不帰の嶮も、八方池で見るのよりも更に迫力が増している。

 この先は、ずっと展望の良い道を登って行く。
 唐松岳頂上山荘の手前の右側がガレ場になった下を通過するときは、落石に注意しよう。
 このような場所では決して休憩しないことだ。
 息が苦しいのなら、その手前で休憩を取り、息を整えてから一気に通過することだ。

 唐松岳頂上山荘で、景色は一変する。
 天気が良ければ、正面に剱岳がでんと構えていることだろう。
 左には槍保高、眼下は深い黒部峡谷だ。
 唐松に限らず、大山脈の主脈上に登った醍醐味は、ここにあるかと思う。

 唐松岳山頂は、目と鼻の先だ。
 ザックを背負わずに往復している人も目立つが、これらの人たちのほとんどは山荘に宿泊する人だ。
 ザックの中は重要なものがあるので、日帰りの人は全部持って登るべきだ。

 今までの連続の登りから解放され、一旦緩い下りとなり、ほんの少しの登りで山頂に着く。
 今度は不帰の嶮から白馬岳方面が良く見える。
 今来た東側を見ると、松川の谷がバサッと切れており、いつでも豊富な雪渓が見られる。

 天気が良いシーズン中なら、山頂は相当な混雑となる。
 人ごみが苦手な人は、少し不帰の嶮よりに下ったところで昼食にしてもいいだろう。
 大した平地はなく、絶壁を見ながら食べることになるが、人通りはめっきり減る。


 更に時間が余り、ちょっとしたガレ場でも自信のある人ならば、不帰の嶮をもう少し歩くのもいい。
 一番唐松岳に近い不帰の嶮第V峰は、山頂の西側を巻いていく。
 少し登り返して第U峰南峰に着き、続いて第U峰北峰に着く。
 第U峰北峰から第T峰までは、それまでと打って変わり、とてつもなく難所になるので、絶対に勧められない。


 帰りは唐松岳頂上山荘と八方池付近を除き、すべて下りだ。
 唐松岳頂上山荘を出たら、ガレ場の手前で登ってくる人がいないか、注意をしよう。
 できればガレ場の中でのすれ違いは避けたい。
 人が見えたら、面倒でもガレ場を通り過ぎるまで待った方が安全だ。

 姫川に沿う細長い盆地を見ながら下る。
 稲の借り入れの時期は特にいい。

 八方尾根の後半戦、下の樺を過ぎたころから、岩が蛇紋岩になる。
 この辺になると人が多くなるので、油断しがちだが、雨の後などやたら滑ることがあるので、丁寧に歩きたい。

 天候や体調が急変した場合、予定の時刻を超過してしまった場合は、迷わず唐松岳頂上山荘に泊まることにしよう。
 また、グラードリフト乗り場までは行ったが、リフトが止まっていたならば、八方池山荘に泊まらせてもらおう。
 どうしてもその日に下山したければ、リフト2本分を黒菱まで歩くことはできる。
 ここでタクシーを呼べばいい。
 

あくまでも参考:五竜岳日帰り登山

 健脚を自認する人の中には、後立山連峰のマッチョ、五竜岳まで日帰りで行きたいと思っている人もいるだろう。
 その人たちは、時期が限定されるが、アルペンラインで6時発の始発ゴンドラに乗ってほしい。
 それでも日帰りに挑戦できる目安は、グラードリフト終点から唐松岳頂上山荘まで2時間を切ることだ。
 5時半のゴンドラがない時期は、黒菱ラインで6時半の始発リフトに乗るか、黒菱平から凶暴な牡牛の横を通って牧場を徒歩で登ることになる。
 何と言っても、唐松岳頂上山荘から五竜岳山頂までは、グラードリフト終点から頂上山荘までの所要時間よりも長い。
 しかも、牛首の難所が下り基調になるのがやっかいだ。
 ガイドブックや登山地図では、おおむね、簡単な八方尾根の所要時間は長めに、難所が続く唐松岳頂上山荘から五竜岳までは短めに書かれている気がする。
 特に五竜山荘から五竜岳頂上まで登りが1時間と書いてあるものが多いが、ここを1時間でこなせる人はかなりの健脚だ。
 それに加え、このコースもそれなりの数の登山者がいて、難所の牛首越えの鎖場では、八方尾根以上に待つことがある。

 唐松岳頂上山荘から五竜方面の道は、それまでと比べると、極端に狭くなる。
 山荘からすぐ近くのピークに向かって歩く。
 この時点でストックはしまっておいた方がいい。
 ピークに近づいてもその先が見えない。
 初めての人は、ジェットコースターのピークに近づいたような緊張した気配が漂うところだ。

 ピーク直後から難所が始まる。
 ここまで来たのだから、腹を据えて歩くことにしよう。
 それが嫌なら戻るしかない。
 難所は30分はかかると見ておこう。
 3点支持を守り、丁寧に、怖がらず、落ち着いて歩けば、岩が濡れていない限り問題ないだろう。
 一番怖いのはすれ違いの時なので、鎖場で向こう側が見えない時は声を掛けてから渡るようにしよう。
 鎖場といっても、高尾評論の場合はここは一切鎖を持たず、適当な岩だけをつかんで下る。
 といっても鎖が必要ないわけではない。
 トラバースの場合、鎖が付いている場所の1mくらい下に足を置くと、ちょうどいい。

 白い砂が見え、ジグザグの道を下るようになれば、難所も終わりだ。
 ただ、それから白岳までの登りが長い。
 白岳の長い登りを登りきったところで、持ち時間の40%以上を使い切ってしまっていれば、五竜岳を諦め、遠見尾根を下ることになる。
 この遠見尾根は、八方尾根から想像するよりもずっと長い。 

 五竜山荘からは気を取り直し、長い坂を登っていく。
 途中からは、またストックをしまい、岩場を手を使って登る必要がある。

 五竜岳山頂へ立てば、鹿島槍の双耳峰はすぐ目の前だ。
 ただ、ここへは八峰キレットと言う牛首越えよりもはるかに難しいコースとなる。

 五竜岳から五竜山荘を通り、白岳への登りとなる。
 ガイドブックでは遠見尾根を下るように書かれているが、この尾根は非常に長く、牛首越え+八方尾根で帰っても、所要時間はほとんど変わらないのが現実だ。
 牛首越えは今度は登り基調となるので、体力さえ残っていれば、来た道よりも楽に感じるだろう。
 ただ、疲れがでているので、気力と集中力だけは必要だ。
 一方、遠見尾根終点からの白馬五竜テレキャビンは親切で、途中で遅れる旨の電話をすると、
 ある程度は待っていてくれる。









posted by 高尾評論 at 19:20| 東京 ☀| Comment(0) | 高尾以外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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