2012年07月06日

富士登山を稲荷山尾根でシミュレーション


 富士登山初心者の場合、吉田口か富士宮口から登る人がほとんどだろう。
 ここでは、高尾山口をこれら登山口の5合目に置き換えて考えてみる。

 高尾山口で電車や車を降りたら、トイレ、ストレッチ、身支度が待っている。
 暑い時期だから、水も飲んでおこう。
 途中で水を飲むのは面倒だし、飲んでもすぐに体中に浸み渡るわけではない。

 高尾山口からケーブルの清滝駅までが、吉田口や富士宮口でいうと5合目から6合目に相当する。
 いずれも、勾配があまりない、楽勝と思える道だ。
 この間に、靴やザックが調子悪かったら、もう一度調整しておこう。

 清滝駅の横から山道に入ると、いきなり急勾配になる。
 最初から階段になっているが、律儀に1段を1歩で登る必要はない。
 1段を2歩、3歩かけて登るようにしたい。

 見た目は階段だが、平らだと思われる部分も、よく見ると勾配がついていて、先の方が登っているのが分かる。
 なるべくピッチを小さくとって、登ることにしよう。
 一歩で登る標高差をなるべく小さくしたい。

 少し登ると、お稲荷さんがある平地に着く。
 この時点で、すでに呼吸が荒くなっていないだろうか。
 心拍数は1分間に120を超えていないだろうか。
 休みたい衝動に駆られないだろうか。

 もしそうだとすると、それは歩き方が悪いのだ。
 富士山の5合目から頂上を目指すとすると、この100倍近くの体力を必要とするのだ。
 そのペースで富士山に挑戦しても、頂上まで行けないか、途中で大休止を何度も取り、やっとの思いでたどり着くことになるだろう。

 ここまで何事もなく来られた人は、ここは休憩なしで、登ってほしい。

 ここまでで大変な思いをした人は、ピッチを小さくすることで、スピードダウンしてほしい。
 スピードダウンする方法は、1分間の歩数を少なくする方法と、1歩の歩幅を短くする方法とがあるが、迷わず後者を選ぼう。
 歩幅をそのままで、例えば平地で1分間に100歩進むところを60歩にすると、歩き方がダレて来るし、モチベーションも下がる。
 1分間に100歩を保ったまま、姿勢も正したままで、歩幅だけを小さくしたい。

 稲荷山尾根は、基本的には登りだけのハードなコースだ。
 富士山は吉田口の5合目から泉ケ滝までを除けば、登りが延々と続くコースだ。
 スケールの違いこそあれ、登り方にはそんなに違いはない。

 急勾配になったら、歩幅を縮め、緩くなったら歩幅を伸ばすのだ。
 階段が多い稲荷山尾根だが、注意深く足を乗せる場所を選べば、建築基準法で定められている階段の段差の23センチを超える場所は、1箇所もないはずだ。
 かなり急な場所に差し掛かったら、足踏みする要領でいい。
 健康な人なら、足をあまり上げずに足踏みするだけなら、疲れることはないはずだ。
 その要領で、少しだけ登ればいい。
 前へ進むというより、標高をほんの少しずつ稼ぐ意識で登ると疲れない。

 間もなく稲荷山展望台だ。
 ここまでの標高差は200m。
 富士山が1400mから1500mだから、7分の1くらいかと思うと、そう甘くはない。
 富士山の場合、絶対的標高が高いので、空気が薄く、上に行くほど効率は落ちる。
 気温の変化は激しいし、風も強いことが多い。
 まだ富士山の10分の1も登っていないと思った方がいい。
 高所に弱い人ならば15分の1といったところだろうか。

 できれば稲荷山展望台も通過としたい。
 景色を見る場合も水を飲む場合も、立って荷物を背負ったままにしたい。
 もちろん疲れていれば、休んで呼吸や心拍数が正常に戻るのを待つしかない。

 この先も登りが続くが、同じペースで歩いていても、先ほどよりも楽になってきた人もいるだろう。
 そのような人は、歩き方がいい訳だ。
 いわゆる体が慣れてきたわけだが、消費エネルギーが糖分から脂肪に切り替わったという説もある。

 頂上直下は階段の連続だが、決してペースは速めないことだ。
 富士山でも剣ヶ峰直下は一見楽そうで、急ぐとえらい目に遭う。

 さて、無事に高尾山頂に立つことができた。
 高尾山口からの標高差は400mちょっと。
 富士登山の5分の1弱と思おう。

 高尾山口から時間はどのくらいかかっただろうか。
 1時間半かかったのなら、富士山の登りは8時間以上を計画しておこう。
 富士山もシーズン中は高尾並みの渋滞がある。

 水はどのくらい飲んだだろうか。
 500cc飲んだのなら、2.5リットルは用意しておこう。

 靴連れがないか、肌着の着心地はどうか、ザックの背負い具合はどうか。
 直せるところは直しておこう。
 高尾でちょっと気になるところが、富士山へ登ったら大変不愉快になることもある。
posted by 高尾評論 at 21:03| 東京 🌁| Comment(0) | 富士山と高尾山 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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