2013年05月30日

高尾山口から陣馬山往復 ‐特盛ラーメンが好きな人へ‐

 これからの時期、高尾のような低山は、うっとうしい季節を迎える。
 一番登りたくない時期かもしれないが、それでもこの時期しかできないことがある。
 それは、日照時間が長いということだ。
 梅雨の切れ目にうまく行けば、トレランだけの世界と思っていたロングコースも、歩きだけで何とかこなせることがある。

 その代表的なのは、高尾山口から陣馬高尾縦走路を陣馬山まで行って帰ってくることだろう。
 
 このコースは、トレランのメッカと言われる。
 早朝や天気の悪い日などは、普通のハイカーよりもトレランの方が多いということもある。

 トレランに対し、一般ハイカーから何かと批判が多いことは確かだ。
 何も混んでいる陣馬高尾をわざわざ選ばず、もっと空いている道で走ればいいのではないかという意見もある。

 しかし、来る者拒まず去る者追わずの高尾評論は、トレランからカメ歩きのハイカーまで歓迎する。
 実際に会ってみると、トレランをする子のほとんどは、礼儀正しい、いい子たちだ。
 トレランが高尾を選ぶ理由は、一般ハイカーと同じだ。
 交通の便が良く、幅が広く、アップダウンが少ない道だからだ。
 
 それともう一つ、高尾山口から陣馬山頂までの往復28kmを走破すると、その身体的負荷は、フルマラソンの42qに相当すると言われている。
 アップダウンがある道の負荷は、平坦地の1.5倍と言うことになる。
 ここを走って往復するタイムを測定することは、相対的な技量を掴むのにも適している訳だ。
 確かに、最も速い人で、この往復を2時間10分台で走破している。
 ただ、平地のフルマラソンよりも差が出るようで、3時間台で往復できれば相当速い方だろう。

 ここを往復しようとする人は、走らなくても、かなりのスピードで歩くことになる。
 平坦地の平均時速5q/h、下り4q/h、登り3q/hくらいは楽に出ているだろう。
 高尾山口を8時に出発し、陣馬山で1時間の大休止を取り、他の山で水飲み休憩を取れば、午後5時くらいに高尾山口に戻ってくる計算になる。
 両足を宙に浮かせる時間を作る、つまり走るという行為を一切しなければ、どんなに頑張っても5時間以上はかかるだろう。
 山歩きとは、このくらいの速度で歩いていても、十分スピード感を感じられる、効率の良い遊びだ。

 ただ、あまりにも整備された道であるため、変化が乏しいと感じるかもしれない。
 ラーメンやつけ麺の大盛りを超す特盛を延々と食べているようなものだ。
 それでも、麺やスープが自分の好みだと結構な量を食べられるように、陣馬高尾の雰囲気が自分に会えば、満足の行く山歩きになるだろう。

 単に往復と言っても、高尾山口から高尾山頂までは何本か道があるし、高尾山頂から陣馬山までは、尾根を忠実にたどったり、巻き道を使ったりして変化を付けることはできる。

 陣馬山を始め、景信山、小仏城山での展望は、ラーメンの上に乗るチャーシューやゆで玉子のような存在だろう。
 尾根筋に咲く花や、尾根を越えて吹く風は、シナチクやネギのようなものだ。

 起点、終点とも高尾山口なので、アプローチは文句ないし、交通費も最低限で行ける。













posted by 高尾評論 at 21:44| 東京 🌁| Comment(0) | ロングコース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

生藤山から陣馬高尾  -陣馬山を見下ろしながら歩く標高1000m超のコース-

 高尾山域で最も高い陣馬山に登ると、馬の右後ろに更に高い山がそびえている。
 しかも、なかなか格好のいい山だ。
 陣馬山へ何回も登った人なら、次はあそこへ登ろうと思うだろう。
 あの高い山は、西から見て、三国山、生藤山、茅丸、連行山という山々の塊だ。
 普通、これらの山々を代表して「生藤山」といっている。

 生藤山を代表とするこれらの山々は、笹尾根と言う尾根の上に乗っている。
 笹尾根は、奥多摩湖から三頭山を経て、陣馬高尾縦走路に達する長大な尾根で、多摩川水系と相模川水系を分け隔てている。
 その先は、高尾評論の勝手な解釈になるが、小仏城山から南高尾縦走路を経て、少なくとも御殿峠までは続いている。

 陣馬高尾縦走路では物足りない人は、まず三国山に登り、陣馬山まで縦走し、まだ余裕があれば高尾山口まで歩くというのはいかがだろう。
 生藤山塊の4峰と、その東の醍醐丸の計5峰は、どの山も360度の展望を得られることはできないが、ある方面の展望は、いずれも陣馬山を凌ぐスケールの大きさがある。

 まず、三国山の登り方だが大きく分けて3つある。
 一つは、藤野駅から神奈中バスに乗り、鎌沢入口から登る方法。
 もう一つは、上野原駅から富士急バスに乗り、石楯尾神社又は井戸から登る方法。
 最後は、武蔵五日市駅から西東京バスに乗り、上川乗から三国山よりも更に先から笹尾根に取り付く方法。

 このうち、高尾評論が勧めるのは、上野原駅からだ。
 上野原からバスに乗った人も、ほとんどの人は石楯尾神社で降りてしまうが、終点の井戸から登ることを勧める。

 理由のひとつは、「井戸」という意表をつく名前がいい。
 次に、鎌沢入口、石楯尾神社より標高が高い。
 最後に、井戸から登る、軍刀利神社の雰囲気がいい。
 
 他のコースの名誉のために言うと、上川乗の標高は井戸とほぼ同じで、笹尾根にはより西の浅間峠から取り付くことができる。
 ガッツリ歩きたい人には向いている。

 鎌沢入口からは、佐野川集落を通って三国山へ登る。
 佐野川集落はにほんの里100選に選ばれた茶畑と土蔵がある集落だ。

 
 上野原駅発井戸行きは8時28分と9時46分だから、前者のバスに乗りたい。
 これだと、高尾駅発8時1分発の中央本線に乗ることになる。

 上野原駅では3分の乗継だからトイレに行く暇はない。
 駅は特殊な構造になっていて、階段を登るとすぐにバスが待っている。
 もし発車まで30秒時間の余裕があるのなら、となりの営業所で運転手さんが作成した手書きのハイキング案内図をもらうといい。

 井戸バス停では、天気がいい日は富士山が望まれる。
 トイレはその先の軍刀利神社の社務所までがまんしよう。
 
 バス停からは幅広い車道を、今までのバスと同じ方向に下っていく。
 数分で突き当ったら、右に見える軍刀利神社の石碑に沿って登っていく。
 この先は、ずっと道なりだ。

 社務所を過ぎ、トイレで用を足し、軍刀利神社を右に見る。
 山道に変わり、ちょっと行くと、軍刀利神社奥社だ。
 その先は、杉林をぐんぐん登る。
 陣馬高尾縦走路へ取り付くような、ごく標準的な勾配だ。

 やがて佐野川からの道と合流し、幅広くなった道を三国山へ登っていく。
 三国山直下で、山頂へ行く道と巻き道に分かれるが、三国山へは是非登りたい。
 ほんの少しで山頂へ着く。
 文字通り、東京、神奈川、山梨の3都県にまたがる山だ。
 西側の展望が良く、直下のゴルフ場の先に、富士山、南アルプス、大菩薩、近くに三頭山からの笹尾根が望まれる。

 三国山を下るとすぐに巻き道と合流する。
 
 次の生藤山も、直登と巻き道がある。
 生藤山は、三国山、茅丸、連行山を含めた4座を代表する山だが、時間や体力の都合で1座を巻くとしたら、生藤山だと思う。
 山頂付近は珍しく岩場になっており、特に、下りに急な所がある。
 岩場が苦手な人は、巻き道を通ったほうがいいかもしれない。
 もっとも巻き道も、奥多摩側に少しガレている。

 山頂の景色は、南側がいいが、木が邪魔をしている。
 また、山頂は狭く、大勢が休むわけにはいかない。

 その次の茅丸もすぐ着く。
 この3峰の間隔は非常に短い。

 茅丸もまた、直登と巻き道がある。
 ヤマレコを見ると、茅丸を巻く人は多い。
 しかし、茅丸の標高は1019m、生藤山塊の最高点だし、天気が良ければ是非登りたい。
 山頂は東西に長細く、ベンチもわずかで多くの人がいる場所はないが、南側が開け、正面に丹沢が良く見える。

 茅丸からは細かいアップダウンを繰り返し、連行山まで行く。
 この山だけは巻き道はない。
 生藤山や茅丸であんなに遠かった関東平野が大分近づいてきたのが分かるだろう。

 道は急な下りとなる。
 少し先には、陣馬高尾縦走路の最高峰、陣馬山の山頂の草原やベンチが見下ろせる。

 一度、右に巻き道が現れる。
 これは巻き道を通ったほうが楽だ。

 巻き道と合流すると、またすぐに巻き道が現れる。
 これを直登すると、醍醐丸に行くが、かなりの登りとなる。
 巻き道の方がずっと楽だが、こちらの道は、右側にずり落ちないように気を使う必要がある。
 
 醍醐丸は、戸倉三山の一角であり、八王子八峰の道とも合流する。
 道は小さいピークを越えて醍醐林道に出る。
 和田峠はすぐそこだ。
 
 ここで疲れていれば陣馬高原下に下ればいいが、できれば陣馬山へは登っておきたい。
 さらに時間と体力に余裕があれば、高尾山口まで歩けばよい。







posted by 高尾評論 at 21:41| 東京 🌁| Comment(4) | ロングコース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

八王子八峰 ‐つわものどもが夢のあと‐

 かつて、八王子市教育委員会主催の「八王子八峰登山大会」という催しがあった。
 八王子市内にある8つの山を歩くもので、今熊バス停を出発し、今熊山、刈寄山、市道山、醍醐丸を経て、和田峠から陣馬高尾縦走路を高尾山口まで歩く、全長32.5qのコースだ。
 かつて、21回行われたが、東日本大震災を契機に中止となってしまった。
 似たような大会である東武鉄道主催の外秩父七峰が7千人の参加者を誇っているのに対し、こちらは千数百人と、規模はかなり小さかった。

 中止の理由は、クレイマーなどのローカルな理由を除けば、以下のものが考えられる。
1.更に歴史のある外秩父七峰の2番煎じと見られた。
2.外秩父七峰は参加料が無料なのに、こちらは有料だった。
3.出発点の今熊が、電車の駅から遠く、バスを使う必要があった。
4.今熊山から和田峠まではともかく、陣馬高尾縦走路は大人気のコースなので、わざわざこのようなイベントを催して客を呼ぶ必要はなかった。

 それでは、八王子八峰がつまらないコースかと言えば、そんなことはない。
 外秩父七峰の42qのコースの半分以上が車道又は林道であるのに対し、八王子八峰は、今熊バス停から今熊神社、入山峠、和田峠付近を除き、すべて山道を歩く、効率的なコースだ。
 
 出発点は、今熊バス停よりも「今熊山登山口」バス停の方が良い。
 京王八王子駅、JR八王子駅と武蔵五日市駅を結ぶバスに乗ることになる。
 バスは1時間に1本の運行だ。
 今熊山登山口は、五日市からの方がずっと近い。

 このコースを歩く人は少ない。
 最近、生藤山や北高尾、南高尾を歩く人は増えているが、この山域まで足を延ばす人はまだまだのようだ。
 アプローチが不便なように見えるが、中央線や西武新宿線沿線、武蔵野線の人にとっては、バスの時間帯を選べば結構便利なはずだ。
 五日市発八王子行きのバスは、シーズン中でも、数馬や藤倉、上養沢方面のバスとは違い、いつもガラガラだ。

 今熊登山口から和田峠までは、地味なコースだが、標識は整っている。
 ただ、陣馬高尾とは違い、迷って沢に降りたりすると、かなり危ないことになる。
 かつて八王子八峰登山大会の時に通った人でも、その時は分岐点ではスタッフが道案内をしていたので、状況はかなり異なる。
 巻き道もあるが、なるべく標識に沿った道を歩くことにしよう。

 今熊山、刈寄山、市道山、醍醐丸ともに、山頂は縦走路から少し離れたところにあり、いずれも少しの距離を往復することになる。
 それぞれの山頂は、全部の方向が見えるわけではないが、それなりの展望がある。
 また、八王子八峰登山大会のあと、尾根筋では盛んに伐採が行われていて、急に展望が開けるところが何箇所かある。
 大規模な採掘現場もあり、他のコースでは見られない迫力がある。
 このコースを歩いていて気持ちがいいのは、伐採された尾根を通る風だ。
 地味なコースだけに、風の心地よさを特に感じる。

 そんな八王子八峰だが、今熊山から醍醐丸までは、トレランの大御所、「日本山岳耐久レース、通称ハセツネカップ」とその簡易版「ハセツネ30k」の舞台になっている。
 レースの前には、このコースを試走する元気な子が見られるだろう。















posted by 高尾評論 at 21:36| 東京 🌁| Comment(0) | ロングコース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

高尾山外周縦走 ‐陣馬も景信も小仏城山も高尾山頂も通らない、渋さの境地‐

 北高尾山稜から陣馬高尾縦走路の一部を通り、南高尾山稜、東高尾山稜に抜けるコースだ。
 各コースの詳細はそれぞれ別のところで解説している。

 このコースを踏破する人はそれなりの気構えと体力の持ち主だろうから、起点、終点ともに高尾駅とする。
 回り方としては、反時計回りとしたい。
 最初に山が深く、アップダウンが激しい北高尾山稜に取り付いた方が、後半の疲れと時間切れに対応できる。

 高尾駅北口からは、甲州街道を横切り、森林科学園の脇を通り、霊園入口バス停から八王子城跡に向かう。
 この間のコンビニと自動販売機が最後の買い出しのチャンスとなる。
 後は、景信にも小仏城山にも登らないのだから。

 八王子城跡の松木曲輪が、最後のトイレとなる。
 ここからは、淡々と、北高尾山稜をこなす。
 途中、富士見台分岐で、ほんの少し歩くと文字通り富士山が見える展望台に着くが、今日はそんな俗っぽい山を見る必要はない。

 やっと着いた堂所山から先は、不本意ながら陣馬高尾縦走路に入る。
 人の多さと歩きやすさを改めて感じることになるだろう。
 
 やがて景信山の登りに差し掛かる。
 しかし、渋さを追求する人は、敢えてこの山は巻くことにしよう。
 関東ふれあいのみちの石の標識で「高尾山口9q、陣馬高原下10q」が見えたら、すかさず右の巻き道を通る。
 こうすることで、景信山の喧騒から逃れることができる。

 ほどなく陣馬高尾縦走路と合流するが、この先も我慢だ。
 コルに当たる小仏峠では、休日は山のエキスパート、守屋二郎氏が詳細登山図を売っていることが多い。
 小仏城山への登り返しの途中で、左にちゃんとした巻き道がある。
 これで小仏城山からの喧騒からも逃れ、一丁平へ向かう。

 一丁平では残念ながら混雑の展望台方面に向かうが、大人気のウッドデッキまでは行く必要はない。
 ウッドデッキの少し左側に、「大垂水峠」という標識が立っている。

 ここから敷居の高い高尾山を敬遠し、渋く、南高尾山稜への歩きが始まる。
 高尾山、一丁平間のコルからの道と合わせ、大垂水峠に着く。
 大垂水峠で甲州街道を超えるが、ここにも売店などは一切ない。
 
 途中の見晴らし台は、本来、富士山が良く見える所だが、既に午後も大分回った時刻だろうから、あまりはっきりとは見えない可能性が高い。

 その後も、徐々に高度を下げ、東高尾山稜に入る。
 四辻まで行っても、まだ先はある。
 尾根をアップダウンし、駐車場の縁から三和団地を望む。
 さらにここを直進し、住宅街の脇を進み、金毘羅神社に着く。
 ここが最後のピークで、後は車道に出て、左に曲がり、高尾駅を目指すだけだ。

 全距離は30qちょっとだ。
 陣馬高尾往復よりも少し長いだけだが、アップダウンに要する体力の消耗度が全然違う。
 高尾山往復で7時間かかる人ならば、10時間はかかることを覚悟した方がいい。
 日が長い時期に早朝から歩くとしても、余程の健脚でないと踏破できないだろう。
 中間点は景信山直下あたりだ。

 たかが高尾、されど高尾。
 ベットタウンの高尾駅を起点終点として、ピストン区間も一切なく、途中の25qのすべては山道、トイレ、売店なしというコースを取れるのだ。
 越えて来た峰の数は、細かいものを入れると優に30は超す。

 帰りにご近所さんと会ったとする。
「今日は山でしたか?」
「はい、ちょっと高尾まで」
「高尾山に登られたんですか?」
「いや、その外周を歩いてきました」
「じゃ陣馬とか、景信とか、小仏城山とか?」
「そういう山じゃなくて、もっとマイナーなところです」
「富士山は良く見えましたか?」
「もともと富士山が見えるコースじゃなかったので、よく分かりません」
「人はたくさん出ていましたか?」
「途中は多かったんですが、最初と最後はガラガラでした」
「珍しいところから登られたんですね」
「いや、高尾駅から登って高尾駅に帰りましたけど」
「???」
 あなたの得意な顔が目に浮かぶ。











posted by 高尾評論 at 21:33| 東京 🌁| Comment(0) | ロングコース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。