2013年04月26日

山歩きデビュー

 高尾山はパワースポットだと思う。
 それは、既に高尾山口でも分かる。
 電車でもマイカーでも、乗り物を降り、人ごみの一員としてケーブルの清滝駅に向かうところから始まるのだ。
 男も女も、老いも若きも、みんな、「山に登るぞ」という気合が入っている。
 高尾山頂までは登って当然と言う活気がある。
 こんな活気は、例えば本格的な山岳リゾートの上高地でさえない。
 普通、山岳リゾートといっても、マイカーから降り、証拠写真を撮り、ランチかお茶をし、あとはせいぜい自分の車が見える範囲を歩き回って終わるのが普通だ。
 一方、高尾山口を出た人の半分以上が高尾山頂まで登っている。

 以前、「とりあえず高尾へ」で、「気が向いたとき、何も考えず、ぶらっと高尾に行ってみたらどうか」と述べたことがある。
 その気持ちは今も変わらない。
 高尾山はあらゆる山の中で、一番敷居が低く、安心して登れる山だ。

 ここでは、連休を控え、より快適に高尾に登ることを提案しようと思う。
 以下に述べるのは、初めて山歩きをする人用だ。
 高尾は初めてでも、山歩きを何度もしている人は関係ない。
 自分の体力がどのくらいあるか分からず、細い山道や勾配のある土の道を歩いたことがない人が対象だ。
 山歩きをしたことのない人でも、体力や運動神経に自信がある人は関係ない。

早発早着を心掛けるべし
 だいたい本格的な山歩きをする人は、日の出とともに活動を開始し、午後は予備時間としてとっておくのが常識だ。
 早朝が一番景色がいいし、午後は天気が崩れやすい。
 と言うと、本格的に歩く人以外は、遅くに出ても構わないのではないかと言われそうだ。

 しかし高尾には別の問題がある。
 特にこれからのゴールデンウィーク、遅くに高尾に着くと、とにかく混むのだ。
 初めての人は、どうしてもメジャールートを通るから、混雑は避けられない。
 例えばゴールデンウィークだと、できれば9時までに高尾山口に着いていたい。
 それでも、下る時間帯には、登る人をかき分けながら歩くことになるかもしれない。
 高尾に関しては、初心者ほど早めに出発することを勧める。
 よく、日没直前に稲荷山尾根を登ってくる人がいるが、何度も高尾山域に来て、高尾山頂でダイヤモンド富士を見たり、関東平野の夜景を見る人専用と思っておこう。


メジャールートを歩くべし
 高尾山中でのメジャールートは、以下の道だけだ。
 自然研究路1号路
 4号路
 5号路
 6号路
 稲荷山尾根コース
 陣馬高尾縦走路のうち、高尾山〜小仏城山間

 高尾評論は、何とつまらないことを言うのだろうと思われるかもしれない。
 しかし、山歩きが初めていだという人には、このコース以外、紹介できないのが事実だ。
 確かにこの他にも快適な道はいくつもある。
 しかし、それらの道は、迷いやすかったり、下山してからの交通が大変だったりする。
 最初の山歩きは、ちょっと物足りないくらいでいい。
 物足りないと感じた人は、山が好きな人のはずだ。
 次回はもう少し準備を入念にし、長距離に挑戦することにしよう。

 1号路
 最近、全区間が舗装となった。
 「そんな道、バカらしくて歩けるか」という人は、恐らく完全な初心者ではないから、他の道を歩けばよい。
 しかし、たかが舗装路と言っても、谷あり、尾根あり、重厚な杉並木や境内ありで、初めての人で山が好きな遺伝子を持っていれば、退屈することはないだろう。

 4号路
 昔は吊り橋コースとして人気があったが、最近はそれほどでもないようだ。
 確かに吊り橋自体は、地方の町おこしで続々とできる吊り橋に比べると小さいしスリルもない。
 1号路の舗装と混雑を敬遠する人向きだ。

 5号路
 山頂付近を一周するコースで、これを全部歩き通す糞まじめな人はいないだろう。
 山頂の混雑を迂回する手段としてのみ存在意義がある。

 6号路、稲荷山尾根の登り
 どちらも高尾山口から高尾山頂まで、直接登るコース。
 6号路が谷間、稲荷山は尾根道を通る。
 標高差は400m以上になる。
 初心者なら1時間半は見ておきたい。
 途中で体力が尽き、もう登れないと思ったら、同じ道を下山するしかない。
 6号路は4月27日〜5月6日と11月は、琵琶滝から先が登りの一方通行となる。
 この先、山頂までかんばれるかどうかは、琵琶滝までで決めたい。
 それでは、一方通行期間中、琵琶滝よりも上で動きが怪しくなったらどうするか。
 みんなのひんしゅくを買っても、同じ道を降りるしかないだろう。

 6号路と稲荷山とどちらがお勧めか。
 初心者には、6号路を勧める。
 6号路は川沿いを歩き、最初の勾配が緩いから、自然にウォーミングアップができる。
 稲荷山は、取り付きからいきなり急な階段となり、既にここでペース配分ができなくなることがあり得る。
 一見、体力がありそうな十代の子が、稲荷山尾根の登りで動けなくなっているのを見かけることは、よくある。

 6号路、稲荷山尾根の下り
 高尾山頂まで行くのに、ちょっとした下りで苦手意識を持ったなら、この両コースを降りるのはあきらめよう。
 みんなに見られながら、カニさん歩きで標高差400mを下るのはつらい。
 カニさん歩きの歩数だけで2000歩以上になる。
 高尾山口に着いたときは、肩までガチガチに固まっているだろう。
 そのような人でも、下りの重心移動とリラックスの仕方を教われば、大部分は、問題なく降りられるようになる。
 それまでは、無理をせず、近くの公園などで練習し、次の高尾に備えることにしよう。

 逆に、急斜面を調子に乗って、ドカドカ降りるのも止めにしたい。
 最悪の場合、膝が笑う状態になり、足に力が入らず、どうにも動けなくなることがある。


 陣馬高尾縦走路の小仏城山まで
 高尾山頂まで登ったが、まだ余裕がありそうだという人だけに紹介する。
 特に、高尾山頂で昼ご飯を食べる場所がない時にお勧めだ。
 小仏城山から先、陣馬高尾縦走路で小仏峠まで、あるいは相模湖までは、いずれも急勾配となる。
 下った先は、高尾山口ほど交通の便が良くない。
 残念ながら、今来た道を戻ったほうが安心だ。


なるべく電車で行くべし
 小さい子供連れ、体が不自由な人以外は、なるべく電車を使いたい。
 何度も言っているように、高尾山口周辺の駐車場は台数が限られている。
 マイカーだと、時間に気にせず、思いついたときに出発し、下山したらすぐに乗れるというメリットがある。
 しかし、到着しても駐車場が満杯で、高尾駅まで戻って電車で来ることになりかねない。
 一方、高尾山口からの電車も10分間隔にでているため、時刻表を気にすることはない。
 電車だと山歩きの他に家と駅往復の歩きの時間が増えるが、行きは準備運動、帰りは整理運動と思おう。
 マイカーだと、車に戻ってすぐ着替えと言うことができるが、初心者で着替えを持ってきている人は少ないだろう。
 違うグループがそれぞれのマイカーで来て、高尾山口集合というような計画は、余程早い時間帯以外は実現性がない。


雨の日は止めるべし
 もし上下ゴアテックスの雨具を着て、ゴアテックスの靴を履き、リュックサックカバーも掛けていたら、雨の高尾も楽しいものになるだろう。
 ただ、それだけの装備をしている人に、初心者はいないはずだ。
 「雨だから、ケーブルに乗って、薬王院くらいで帰ってこよう」
 という考えにも賛成はしかねる。
 いくら雨に当たる時間が短くても、濡れた衣服でその後長時間過ごすことは、不愉快極まるだろう。
 また、傘を片手に山歩きは、歩き方に自信がある人以外には勧められない。


ピチピチのジーンズは避けるべし
 ハイヒールで山歩きは大勢の人の注目を集めるが、そのような度胸のある女性は高尾にはさすがに少ない。
 そのかわり、太ももがぴったりしたジーンズを履いて高尾に来る人は結構多い。
 ジーンズはアウトドアに使うといった間違った風潮があるからだろう。
 これがどうしてダメかと言うと、実際に階段を登ってみればすぐ分かる。
 足が上がらないのだ。
 そもそもピタッとしたジーンズは、脚の美しさを強調するためのものだろう。
 足が自然に前に出ず、不自然な姿勢になったり、ちょこまか歩いたりしていれば、せっかくのジーンズも台無しだろう。
 さらにジーンズの場合、雨や汗で濡れると、皮膚に生地がピタッとくっ付き、余計足が上がらなくなり、危険なことも起こり得る。
 それならスーツのズボンの方がまだ合理的だ。
 山着がないのなら、ジャージでもいい。
 ウエストのゴムひもだけは確認しておこう。

 ついでに言うと、着る物全体で、なるべく綿は避けた方がいい。
 夏冬にかかわらず、吸湿性の良いものが快適だ。


両手は開けるべし
 山と言うか、歩くことを主眼にした場合は、必然的にこうなる。
 となると、リュックサック(山ではなぜか「ザック」と言う)を背負うことになる。
 リュックサックの欠点は、何と言っても格好悪いことだ。
 山ボーイ、山ガールファッション以外、リュックサックと衣類との相性は悪く、あまり似合う人はいない。
 少しでも格好良くするには、ある程度の開き直りが必要だ。
 つまり、片方の肩だけに掛けたり、尻リュックなど、中途半端な背負い方をしないことだ。
 なるべく背中の高い位置に左右均等に背負い、肩ベルトを締め、バスト、ウエストベルトを締める。
 これをちゃんとすれば、軽いものを入れたくらいでは、ほとんど重さを感じないだろう。

 手持ちのバッグが有効なのは、小さい子供と一緒で、お菓子や飲み物などをすぐに出す必要のある時だけだ。


飲み物だけは用意すべし
 高尾山で一番怖いのは、脱水症だろう。
 いつの季節でも、十分起こり得る。
 高尾山中にはあちこちに自動販売機が用意され、山頂まで東京都の水道水が引かれている。
 ただ、6号路や稲荷山尾根を歩く場合、途中で水は補給できない。
 初心者は、少し多めに水を飲んでおく方がいい。
 最近、高尾山頂直下に豪華トイレができ、トイレ不足もだいぶ解消された。









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2013年04月18日

陣馬山から景信山 ‐高尾山域のハイウエイ‐

 陣馬山から景信山までは、高尾山域で一番標高が高い所を結ぶ尾根道だ。
 というと普通、どんなに急な箇所があるかと思うかもしれない。
 しかし、実際には逆に、陣馬高尾縦走路の中でも、一番アップダウンが少ない区間となっている。
 それに、尾根自体も広く、縦走路も直登コース、巻き道コースと何本化に分かれている区間も多い。
 また、日本一登山者数が多い縦走路とは言え、景信山以南と比べれば、それでも人は少なく、すれ違いや追い越しで時間を取られることも少ない。
 トレランの人は平均速度が最も高くなる区間だ。
 一般の人でも、少し慣れた人なら、平均時速4qを超えて歩くことができる。
 
 しかしその分、変化に乏しいのも事実だ。
 陣馬山から明王峠にかけては一部で雄大な景色が見られるが、明王峠から景信山までは、それほど展望には恵まれない。

 山歩きでは、特にガイドブックで、スピードと言うものがタブー視されているところはあることは確かだ。
 山歩きの本質は、周囲の景色を見ながら自然と一体になってゆっくり歩くものであって、速さを競うことはけしからんという風潮がある。
 
 もちろん、自分の能力以上のスピードで歩き、転倒でけがをしたり、疲れで途中から歩けなくなれば、元も子もない。
 しかし、山歩きは移動のスポーツだと考えると、ある程度のスピードで歩く快感を覚えることは、決して悪いことではない。
 我々は、普段、自分が快いと感じるスピードを持続して歩くことがどのくらいあるだろうか。
 家から駅、駅での乗り換え、駅から学校や職場、スーパーやコンビニなど、いろいろなシチュエーションがあるが、人ごみや赤信号にじゃまされ、なかなか自分のペースで歩けないのが現実だ。
 多少のアップダウンや木の根やぬかるみなどがあるかもしれないが、歩きやすい靴を履き、荷物もまとめてザックの中に入れている一番いい条件で、思う存分歩いてみたいのが、この区間だ。

 いよいよ陣馬高尾の縦走開始だ。
 行動を開始する前に、道が間違っていないか、確認をしよう。
 道迷いの中には、本当に初歩的だが、山頂からの下り道が間違っていたということが意外と多い。
 陣馬山頂は4差路になっている。
 陣馬高尾縦走路は、白馬の頭の少し左部分から始まる。
 陣馬高原下からの道で、高尾評論が述べた通りのルートをとった人は、来た道を1分程度戻ることになる。

 ここから高尾山口までは、「関東ふれあいの道」の「鳥のみち」にもなっていて、立派な石の標識が約1kmごとに地面に埋まっている。
 これによると、陣馬高原下から高尾山口は合計19kmとなっているが、これは和田峠と高尾山1号路を経由した場合の距離だ。
 陣馬新道と、6号路、稲荷山を通ると、1q少々短くなる。

 陣馬山を出ると、いきなり階段になる。
 場所によっては土が削られ、階段状の丸太がむき出しで出ているところがある。濡れていると丸太の上は滑る。
 
 陣馬山直下は当然下り基調だが、そのうちにアップとダウンを同じくらい繰り返すことになる。
 進行方向右側は明るい広葉樹、左側は杉の人工林が多い。
 右側には、相模湖を挟み、丹沢や、斜め後ろの富士山がたまに見える。

 道はたまに二股に分かれるが、当然太い方が本道の縦走路だ。
 細い方は巻き道で、主なものは明王峠までに2箇所あり、両方とも本道の右側についている。
 本道が尾根のピークを忠実にたどるのに対し、巻き道はやや麓をたどることになる。時間的にはどちらもそう変わらない。
 道に迷いそうな不安があれば、本道を選ぶべきだ。
 なお、この先の巻き道も全部そうだが、10分以上歩いて本道の縦走路と合流しなければ、その道は巻き道ではなく、とんでもない場所に向かっている可能性がある。
 すぐに引き返すことにしよう。

 東側が開けたところに、明王峠がある。
 走路の中の峠とは、普通、一番低い場所にあるのだが、ここは違う。
 向かって右側には、相模湖駅に抜ける道がある。
 バスを使わず、車道もほとんど歩かないで駅まで行けるお勧めの道だ。
 いろいろな事情で、ここで縦走を打ち切る場合は、このコースを下山路に使うといい。
 明王峠から相模湖駅までの所要時間の目安は、陣馬高原下から陣馬山までに要した時間の2割増しと考えたい。

 ただ、陣馬高尾縦走を続けるつもりで、明王峠から相模湖へ下ってしまう人が多発している。
 縦走路は、小屋の向かって左側の杉並木をたどる道だ。
   
 明王峠と景信山はほぼ同じ標高だ。
 ゆるいアップダウンの道を快調に飛ばす。
 ここでもいくつか道が分かれ、左が本道、右が巻き道となっている。
 距離的には本道の縦走路の方がやや短い場合が多い。
 時間的には、巻き道の方がやや早い事が多いが、大した差ではない。
 道に迷うのが心配だったら、本道を選ぶ方がいい。
 ただ、アップダウンは明らかに巻き道の方が少なく、心理的なものも含めて疲れはこちらの方が少ないだろう。

 一番大きい分岐が、堂所山へ登るか巻くかだ。
 ここだけは右の巻き道が本道となっているので、普通は巻き道を通ることになる。もちろん堂所山の頂上を踏んでおくのもいい。
 山頂は縦走路から少し北に離れている。分岐点から結構な急斜面を登りきると三差路に出て、そこを左に曲がり、100mくらいで着く。
 北西側しか展望は開けていないが、晴れていれば陣馬山の裏に富士山が見える。
 狭い頂上だが、縦走路が混んでいてもここは比較的空いている。
 静かなところで食事にしたい人には向いている場所だ。

 陣馬高尾縦走を続けるのなら、そのまま先に行ってはいけない。
 北高尾山稜という健脚コースに入ってしまう。
 景信山へは、先ほどの道を少し戻り、三差路を左に折れる。
 この先の本道までは、陣馬高尾縦走路では一番の急傾斜の下りとなることは、あらかじめ知っておいた方がいいだろう。

 道が合流しても、すぐに本道と巻き道が分岐する。
 巻き道はすべて本道の右側についている。実際、巻き道を歩く人の方が多い。

 去年から、「高尾山口10q、陣馬高原下9q」の標識から景信山よりのちょうど1qは、巻き道にロープが張られ、通行できなくなっている。

 ロープが切れたところに、「高尾山口9km、陣馬高原下10km」と書いてある石の標識がある。
 その数m先に、やっと再び巻き道がある。
 しめしめと思い、この巻き道を通ると、景信山までも巻いてしまう。
 出暗い杉林を抜けたら、小仏峠寄りの景信山の肩に飛び出し、あっけに取られている人をよく見る。
 昔はこの巻き道はなかったのだが、最近、トレランで使う人が増え、どんどん広くなってきたようだ。

 せっかく来たのに、景信山頂を巻きたい人はほとんどいないはずだから、ここは本道を選ぶことにしよう。

 この辺になると、本道もいくつかの細い道に分かれ、草に覆われているところもあるが、道を間違えたわけではない。
 景信山頂直下はさすがに登りになるが、陣馬山を登ったことを考えると、大したことはない。
 すっと山頂に着く。


 逆コースも快適なハイウエイだ。
 明王峠をちょっと過ぎてから陣馬山への登りとなるが、それも長くはない。
















posted by 高尾評論 at 21:56| 東京 ☀| Comment(0) | 陣馬高尾縦走路 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

景信山から小仏城山 ‐縦走路の中では難所かつ一番景色がいい区間‐

 この区間は、陣馬山から景信山と打って変わり、厳しいアップダウンがある。
 小仏峠が、景信山と小仏城山に囲まれた「V」の字の底に当たっているのだ。

 道が厳しいと登山者数は減るかと言うとそうではない。
 陣馬山から景信山よりも、こちらの方が人出は多くなる。
 つまり、人出が多い道は無条件で歩きやすくなるわけではなく、地形的に厳しいところはどうにもならないのだ。

 景信山から縦走を再開する場合も、標識に気を付けよう。

 ここからの下りは最初から急だ。
 下りが苦手な人にとって、景信山から小仏峠までの道は、一番の難所となるだろう。
 山頂直下の道はコンクリートで固められているが、それでも下りが苦手な人は、へっぴり腰になる。
 見晴らしが良い分、余計それが遠くから目立つ。
 この場になって、根本的な歩き方を変えるのは無理な話だが、とにかく肩の力を抜くこと、なるべく遠くを見ることは意識したい。
 それと、すぐ後ろに人が付いたり、すれ違いが難しいと思った時は、無理をせず、山側に寄って止まることだ。
 
 周囲は伐採され、展望が非常にいい。
 眼下に中央道や中央線が見え、その先にこれから向かう小仏城山、高尾山、その左は関東平野が広がる。
 暑い時は、気持ちいい風が下から吹き上げるところだ。
 下りの苦手意識がない人にとっては快適この上ない道だろう。

 やがて少しの登りを経て、再び下りとなる。
 この下りも、苦手意識のある人にとっては嫌なものだろう。
 と言っても、夕方になると、かなりお歳を召した景信山の茶屋の人が、涼しい顔をして原付荷車で下ってくるのを見ることができる。

 下りきったところが小仏峠だ。
 ここにも茶屋の跡があるが、営業はしていない。
 左へ折れると、旧5街道時代の甲州道中を通り、小仏バス停へあっという間に出る。
 陣馬高尾最短のエスケープルートとなっている。

 小仏峠からは登り返しとなる。
 ほんのちょっと登ったところにまた茶屋の跡がある。
 ここからは相模湖方面が開け、日曜、祝日の夕方なら、中央道の渋滞が良く見えるだろう。
 小仏城山の手前では左に公式の巻き道がある。
 疲れたら巻き道を通りたくもなるが、この道も結局、城山と標高差があまり変わらないところまで登ることになる。

 巻き道分岐からは本道が何条にも分かれる。
 急な道だが距離は短く、すぐに山頂のパラボラアンテナの横に着く。


 逆コースでは、小仏城山からの下りが苦手な人の一番の難所となる。
ここは、道が何本にも分かれているところだ。
 この中で、一番急な道をおっかなびっくり下っている人がいるが、足元だけ見て、その先を見ていないからだ。
 下りが苦手な人は、思い切って一旦止まり、一番有利なコースを見つけるだけの余裕と勇気を持つことにしよう。
 逆に下りが平気な人は、あっけなく小仏峠まで着いてしまうだろう。

 小仏峠からは急な登りで苦しい。
 途中に前景信のピークがある。
 これにだまされてがっかりすることなく、景信山を目指すことにしよう。








posted by 高尾評論 at 21:50| 東京 ☀| Comment(0) | 陣馬高尾縦走路 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

小仏城山から高尾山 ‐高尾山域で一番明るい尾根道‐

 小仏城山を出ると、登山客は更に増える。
 巻き道の合流点より先は、道幅がかなり広がり、快適に下っていく。
 展望も良く、陣馬高尾縦走路はもとより、高尾山域の登山道の中で、一番明るい感じがする区間だ。
 ところどころにベンチがあり、休憩する場所もたくさんある。

 ほどなく一丁平だ。
 右手には立派な展望台がある。
 特に西から南にかけての展望がいい。
 この先の高尾山頂よりも見晴らしがいいし、あちらの雑踏では落ち着かないから、ここを最後の休憩場所として、今までたどった道を振り返るのもいい。
 白樺林に覆われた中にはベンチが点在し、人でにぎわっていることが多い。
 これだけ人が多いのに、茶屋がないのは不思議だ。

 一丁平から少し下ったところが、小仏城山と高尾山との間の最低点となる。
 シーズン中は、ミツバツツジがきれいな所だ。
 この先、高尾山への道は3つに分かれる。
 真ん中が本道で、階段で尾根道を忠実にたどる。
 ピークはもみじ台といい、茶屋があって展望がいい。
 左側が一番楽で、緩やかに登るが、展望はない。
 右側はアップダウンは少なく、展望は良いが、とにかく長い。

 この3つの道が合流したところは、高尾山の一角だ。
 更に、5号路と高尾山頂への道と合わせ、6差路となっている。
 5号路は山頂周辺を一周する、それだけでは意味のないルートで、巻き道としてのみ利用価値がある。
 5号路を左にとっても、高尾山頂のほんの少しだけ下で1号路に合流するだけで、ほとんど意味はない。
 5号路を右にとり、稲荷山尾根にショートカットするケースのみ、意味がある。

 さて、最後の力を振り絞り、コンクリートで固められた階段を登っていく。
 いろいろなブログを覗くと、この登りが一番きつかったという感想があるが、実際にはそれほどの距離ではない。
 今までのペースを崩さずに登っていくことだ。
 シーズン中は登り始めると高尾山頂のざわめきが聞こえる。
 やがて、階段の端に座り込んだ人を押し分けるように進み、高尾山頂へ出る。


 逆コースも快適な道だ。
稲荷山や4号路や6号路を登ってきた人にとっては、こちらのほうがずっと歩きやすいと感じるだろう。
 というか、快適すぎて場違いな人がもみじ台や一丁平まで足を延ばし、帰りに苦労している。








posted by 高尾評論 at 21:36| 東京 ☀| Comment(0) | 陣馬高尾縦走路 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月17日

南高尾山稜縦走路 ‐穏やかな陽だまり歩きができるが、交通不便‐

普通、南高尾山稜と言うと、高尾山口から東の尾根に取り付き、草戸山で方向を変え、大垂水峠に向かう稜線を差すことが多い。
 ただ、地図を見ると、八王子市と相模原市との境にある尾根は、草戸山からまっすぐ東に延びる八王子市と町田市との境の尾根と一体と見るのが自然だ。
 それに、比較的穏やかな顔を持つ南高尾と比べ、東高尾は標高さえ低いが、けっこう厳しい表情を持っている。

 このような理由から、高尾評論では、南高尾と東高尾を分けて述べることにする。
なお、守屋地図でも、両者は分けて書かれている。

 ここでは、大垂水峠方面から草戸山方面に向かって説明する。
 
 まず大垂水峠だ。
 ここは、相模湖と高尾山口との間になり、神奈中バスが通っている。
 相模湖駅と八王子駅とを結ぶ長距離バスで、首都圏には珍しく、大垂水峠と言う立派な峠越えをする路線だ。
 バスマニアには興味がある路線だろう。

 しかし、山歩きをする人間にとっては、大変利用しづらい。
 土休日で一般的に利用可能なのは、相模湖駅発8時39分のみだ。
 高尾山口駅からも乗れるが、ずっと手前の八王子駅始発だから、高尾山口に着くときはかなりダイヤが乱れている。
 参考程度に言うと、高尾山口駅発は10時14分となっている。

 せっかくいい路線を持っているのに、このバスの不便さは残念なことだ。
 神奈中バスでは、恐らく、圏央道高尾山インターができたことによる渋滞の影響をみているのだろうが、高尾山口駅から大垂水峠まででも増便できないだろうか。
 南高尾山稜は、高尾山口駅から直線距離で非常に近いところにある。
 バスの便さえ良くなれば、利用客が多くなり、高尾山中に一極集中する登山客を分散できると思うのだが。

 そんなことで、大部分の人は、大垂水峠より前から歩き始めることになるだろう。

高尾山から大垂水峠
 高尾山口から大垂水峠まで行くには、一度、高尾山を超えるのが一般的だ。
 稲荷山尾根を8割がた登り、6号路からの合流点で左に折れる道があるが、途中から林道になり、面白くない。
 
 高尾山頂から陣馬高尾縦走路を石の階段に沿って降りると、すぐに6差路に着く。
 一番右と左は自然研究路5号路で、高尾山頂直下を一周する道だ。
 前の3本の道が、陣馬高尾縦走路で、どれをとっても構わない。
 真ん中が縦走路本道で、一旦紅葉台に登る。
 一番楽なのが右側で、左側は冬など、陽だまりハイクとして良い。

 再び合流したところが、高尾山と小仏城山との間の最低点で、ここを左に入る。
 道はほぼ下り一方だ。
 途中で林道に少し入るが、あくまで「大垂水峠」という標識に沿って歩くことにしよう。
 「学習の道」は遠回りになる。
 車の騒音が聞こえ、国道20号線が見え、歩道橋を渡って南高尾山稜に入る。

小仏城山から大垂水峠
 一方の入り方は、小仏城山からだ。
 地図の等高線を見ると、こちらが正式な南高尾山稜だということが分かるだろう。
 陣馬高尾縦走路をほんの少し、高尾山側に歩くと、右に分岐点があり、これをどんどん下っていく。
 この道は、「関東ふれあいの道」のうち、「湖のみち」と呼ばれるものだ。
 足元には、1qごとに、高尾山口からと梅ノ木平からの距離が書かれている立派な石の標識がある。
 道は一度、緩やかに登り、再び谷間に沿って下り、国道20号線とぶつかる。
 南高尾山稜は、国道に沿って、少し高尾山口寄りに歩くことになる。
 歩道橋の前で、高尾山からの道と合流する。

大垂水峠から草戸山
 大垂水峠からは、登りの連続で、大洞山へ向かう。
 大洞山一帯は、最近間伐が行われ、大分見晴らしが良くなった。
 冬場なら、相模湖や富士山が良く見えるだろう。

 大洞山で周囲の雰囲気が変わり、いかにも南高尾らしくなる。
 傾斜はそれなりにあるのだが、尾根としては広く、陽当たりがよいコースだ。
 「陰の北高尾」に対して、「陽の南高尾」といったところか。
 この雰囲気は、草戸山まで続く。
 高尾評論で、起点を大垂水峠からにしたのは、この陽当たりを考慮したためだ。
 
 大洞山の次は、金毘羅山で、すぐに着く。
 山頂にはリュック掛けがあり、これがまた明るい雰囲気を出している。
 
 金毘羅山を下ると中沢峠だ。
 左に折れると、すぐに林道になり、国道20号線の梅ノ木平に出る。
 この先の西山峠、三沢峠にも左に下る道があるが、どの道も梅ノ木平周辺で合流する。
 
 途中のうかい鳥山、うかい竹亭やラブホテルに寄る場合か、時間切れか体調、天候不順でエスケープルートとしてとる以外、高尾評論ではどの道も勧めない。
 というのは、梅ノ木平は中間点で、この先高尾山口まで、国道20号線を更に歩かなくてはならない。
 途中には圏央道のインターがあり、車の轟音が渦巻く中、小さくなりながらあちこちに移る歩道を探して歩くのは、大部分の人にとって愉快ではないからだ。
 関東ふれあいの道でも終起点を梅ノ木平にしているが、何とか変えられないものだろうか。
 
 中沢峠からは中沢山への登りとなる。
 山頂は縦走路からちょっと離れたところにある。
 
 中沢山の分岐を過ぎると、それまで木々で覆われていた右側の世界が突然開ける。
 ハイキングマップで「展望台」と書かれているところだ。
 特に広場になっているわけではなく、山側にベンチが少し並べられているだけだ。
 このベンチに座っても、膝のすぐ先を登山者が通り過ぎるので、落ち着かないかもしれない。

 しかし、高尾評論では、ここを南高尾山稜のベストスポットとしたい。
 他のどんな山頂よりも、この展望台で休憩することを勧める。
 眼下には蛇行する津久井湖が広がり、吊り橋が架かっているのが見える。
 対岸は河岸段丘があり、どの段々でも、民家が同じ方向を向いて建っている。
 正面の山は、主峰蛭ケ岳を含む丹沢連峰だ。
 さらに天気が良ければ、その上に富士山が覗いている。

 目を見張る絶景と言う訳ではない。
 しかし、山と里が共生している、郷愁誘う風景だ。

 さらに道は、泰光寺山を通り、三沢峠に着く。
 関東ふれあいの道はここで左に下っているが、先ほど述べたように、この道は推薦できない。
 右に下ると、峰の薬師を過ぎ、三井(みい)というバス停に出る。
 縦走をここで打ち切るのなら、こちらの道を推薦する。
 ここからのバスの本数は少ないので、三井大橋を渡り、小網バス停まで行くと、橋本駅行きのバスが12分間隔で出ている。

 眼下には関東平野がどんどん近づき、相模原市緑区の中心である橋本付近のビルも良く見えるようになる。
 もう人家も近く、犬を連れた近所の人が散歩していたりする。
 ダム湖である城山湖の一角にある草戸山で南高尾山稜の案内は終えることにする。

 この先、大分部分の人が東高尾山稜を歩くことになるだろう。
 しかし、日没が迫っていたり、体力が限界に近づいている時は、無理をせず、城山湖を半周し、大戸又は城山高校前から神奈中バスに乗り、相原駅または橋本駅に向かった方がいい。
 大戸からのバスは少ないが、城山高校からは12分間隔で出ている。
 地図上では、高尾山口まではすぐ近くに見えるが、この先、かなりのアップダウンを覚悟しなくてはならない。


 逆コースもいい。
 東高尾山稜を通り、草戸山から取り付く人は多いだろう。
 南高尾に入った途端、道が広くなり、よく整備されているのがよく分かるだろう。
 左側に相模川の大きな谷を見ながら徐々に標高を上げ、陣馬高尾縦走路に近づくのもいい。












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東高尾山稜縦走路 ‐交通至便なハードコース‐

高尾山口駅又は高尾駅からダイレクトに入れる尾根道だ。
 標高は高尾山に比べてずっと低いが、アップダウンが激しく、巻き道もほとんどない。
 北高尾山稜ほどではないが、かなりハードなコースだ。
 道は狭いし、トイレ、売店はもちろんない。
 しかし、そのハードなコースも、最近、利用する人が増えてきた。
 最近の傾向だが、アプローチさえよければ、多少ハードなコースでも、人はどんどん来るようになった。
 頼もしい限りである。

 隣接している南高尾山稜で、大垂水峠から草戸山にかけて案内したから、こちらも草戸山から高尾山口、高尾駅にかけての順路で紹介する。

 草戸山は人工的な雰囲気がするところだ。
近所の人が、車を近くに停めて著と散歩に来ている。
だから、ここに着いたら、ほっとし、もう東高尾もすぐ終わると考えている人もいるかもしれないが、それは甘い。
東高尾山稜は、距離こそ短いが、草戸山から再び暗く細い道に入り、いくつかのピークを越えて行かなくてはならない。

草戸山から一旦下り、登り返したところが草戸峠だ。
その先は、拓大分岐というレアな地名以外、四辻まで地名ははい。

ただ、実際にはいくつかピークを登りなおして四辻まで行く。
南高尾山稜と違い、巻き道はほとんどない。
木が生い茂った道だが、時折関東平野の展望が開ける。

 四辻は、近くに着くまで分かりにくい。
 突然と標識が出る感じだ。
 ここで縦走を打ち切り、高尾山口へ降りるのが一般的だ。
 こちらも突然、人家の裏庭に出て、すぐ国道20号線を渡ることになる。
 高尾山口駅までは15分程度で着くだろう。

 しかし、東高尾山稜縦走路はまだ続く。
 高尾駅まではもうひと仕事あるので、時間と体力に余裕のある人は行けばよい。
 四辻から先も、アップダウンの連続だ。
 途中で大きく右側が伐採されたところがあり、関東平野がじかに見渡せる。
 街にかなり迫った割には、スケールの大きな景色だ。
 しかし、そのおかげで道は崩れやすくなっている。
 さらに進み、駐車場に下ると、三和団地の住宅街が現れる。
 住宅街の間を下り、初沢川沿いに歩けば高尾駅は近い。

 さらにしぶとく縦走を続けようとする人は、三和団地からもう一度尾根を登り直し、金毘羅神社を通るコースがある。
 いずれにせよ、四辻から高尾駅まで、一般的には1時間は見ておきたい。


 逆コースも十分使える。
 ただ、高尾駅からは道が分かりにくく、途中までは標識もないため、守屋地図でも持っていないと初めての人は歩けないだろう。
 高尾山口駅からも分かりづらいが、国道20号線の「高尾山入口」の信号を渡り、住宅街をほんの少し登ったところに標識がある。

 ただ、片方の終起点の高尾駅や高尾山口駅は交通の便は申し分ないが、もう片方の草戸山は、中途半端な場所にある。
 ここで下山しようと思っても、バス停までが比較的遠いし、国道411号を走るバスは結構渋滞する。

 また、がんばって南高尾山稜を大垂水峠まで縦走しても、ここがまた不便な場所だ。
土休日の大垂水バス停の夕方の時刻は、高尾山口駅、高尾駅経由八王子行きが16時24分、相模湖駅行きが17時54分のそれぞれ1本だけだ。
 歩くとすると、高尾山口駅までが5.9q、相模湖駅が6.4qだ。
 いずれも交通量の多いカーブだらけの国道の車道を歩くことになる。

 したがって、東高尾山稜は、南高尾山稜を通り、陣馬高尾縦走路に出る事を前提に、歩き始めたほうがいい。
 高尾山口から入り、草戸山、大垂水峠、高尾山、高尾山口と周回すると、14q以上となり、実質的には高尾山口から陣馬高尾縦走路をとり、陣馬高原下に抜けるのと同じくらいの体力と時間を消費する。















posted by 高尾評論 at 19:56| 東京 ☀| Comment(0) | 高尾外周尾根 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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