2015年07月07日

噴火に備えた富士登山

日本列島の火山活動が活発化している現在、富士山の噴火警戒レベルは1のままだが、今まで以上に心配している人も多いだろう。
近所の箱根山ではレベルが3になったし、去年の大災害をもたらした御嶽山はレベル1のままで噴火した。
富士山の場合、噴火の可能性がある火口は頂上だけでなく、麓にも分散しているため、危険個所を特定するのは難しい。
最近内閣府が作った富士山火山防災マップによると、5合目以上はすべて火砕流、噴石が飛ぶ最も危険な区域に入っている。

そんな富士山に敢えて登りたい人にとって、噴火で遭難するリスクを極力少なくするのにはどうすればよいか。

一番の予防策は、富士山中の滞在時間を極力短くすること


山の本には、落石の危険性がある個所は速やかに通過するように書いてある。
火山の場合も同じだ。
噴火に遭うリスクは、山中の滞在時間と比例する。
火山は、登山中すべて、もっと言うと、麓を車やバスで移動している時も噴火の危険にさらされている。
富士山の場合、五合目に着いたなら、高所順応に要する時間は仕方ないが、その後は無駄な時間をとらず、さっさと歩き、無駄な休憩時間も取らないことだ。
と言っても息が切れるほど急いで歩く必要はない。
大事なのは、歩き方の基本を大切にし、体力配分を考え、トータルの所要時間を短くすることだ。


逃げ足を速くすること

火砕流や噴石に当たるか当たらないかは運に左右されることも多いだろう。
しかし、噴火が起こる気配を感じたら、とにかく早く下山するか、近くの山小屋に避難するしかない。
多少怪我のリスクが上がっても、急ぐしかない。
急いで下ることはタブー視されているが、普段からある程度の速度で下れるようにしておくことは、噴火のほか、落雷や日没を避けるためにも必要だと思う。

夜間登山は止めること

夜では火砕流が向かってきているのか、噴石が飛んでいるのかも分からない。
いくら高性能のライトを持っていても、行き先が全部見えるわけではない。
特に富士山の夜間登山は、自分で行き先を照らすというより、前の人にただついていくという感じだ。
突然噴火が起きれば、どこを通って逃げれば分からなくなり、大パニックを起こす可能性はある。

夜は山小屋で過ごすこと

噴火が起きた場合、山小屋が比較的安全なことは言うまでもない。
夜はむやみに歩き回らず、山小屋でじっとしていることだ。
テントも危ない。
もっとも富士山の5合目以上はテント禁止だ。


ガスがかかりそうな時は登山を止めること

夜ほどではないが、危険物が迫っていることも、自分の行き先も分からなくなる。


結論として、純粋日帰りが一番安全

夏山シーズンは登山者のために富士山で働く人はとても多い。
その人たちの生活を脅かすような提案はしたくないのだが、敢えて結論を述べさせてもらう。

噴火によるリスクを最小限にするためには、純粋日帰りが最も望ましい。
つまり、日が昇ってから登山を開始し、その日の日没までに下山することだ。

ただ、これは噴火だけから見た狭義の安全であり、高山病や転倒によるリスクは考えていない。



次に安全なのは、山小屋完全1泊

 純粋日帰りができない人は、日没から日の出まで、山小屋の中にいること。
 例え眠れなくても、ご来光が見たくても、暗いうちは山小屋の中にいるようにしよう。

一番危ないのが夜行登山

 せっかく山小屋を利用しても、暗いうちからご来光を仰ぎに山小屋を出たのでは意味がない。
 ただ、これだけ噴火について話題になっているのに、富士登山ツアーの大部分が夜行登山を決行している。


道具の話
 富士山の安全と言うと、まず道具の話を出す事が多い。
 こんなことよりも、山への滞在時間を短くすることの方がずっと大切だと思うが、高尾評論もヘルメット、ゴーグル、マスクは持参する。

ヘルメット
 山用の軽く、蒸れないやつがあるので、これがおすすめだ。
 よくザックにぶら下げている人がいるが、せっかく持っているのに使わないのはもったいない。
 富士山は常に落石の危険が伴う。
 登山開始から下山までの間、休憩している間も含め、常に被るようにしたい。
 
ゴーグル
 スキー、スノボー用のものでいい。
 普段は紫外線防止としてサングラス代わりにかけたら良い。
防塵用としてもいい。
 高尾評論の場合、登りは汗で曇ってしまうので、お鉢めぐりと下り専用で使っている。

マスク
 須走口か御殿場口に降りる人は、防塵用で持っていた方がいいだろう。
 せっかく持ってきたのなら、直ぐに出せるところに置いておこう。






posted by 高尾評論 at 20:14| 東京 ☁| Comment(0) | 富士山と高尾山 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月31日

早発早着は絶対条件?

 山歩きの原則は早発早着だ。
 これは間違いない。
 
 高尾山周辺だけ見れば、観光客を含めた客の高尾山口駅到着のピークは10時前後だろう。
 土日なら、この時間帯だと駐車場は既に満車だ。
 メインコースは渋滞が始まっていることもあるし、せっかく高尾山頂まで登っても、既に富士山は隠れていることが多い。
 高尾山を山として楽しみたいのなら、もう少し早く着いたほうがいいかと思う。
 
 これが陣馬山になると、出足はずっと早くなる。
 土日の高尾駅発6:55陣馬高原下行始発バスは、天気が良ければ超満員で、その直前に臨時の急行バスが出るほどだ。
 
 更に高い山になると、こんなものでは済まない。
 人気の山の登山口は、日の出前から駐車場が満車となる。
 金曜日の夜、職場から家に帰るとあたふたと準備を済ませ、夜の高速道路を飛ばして登山口に向かう。
 登山口に着くのは日付が変わった頃だろう。
 ここで登山者は、少しでも眠っておかなければならないという強迫観念が働く。
 狭い車内で膝に乾きものを乗せ、コンビニで買った生ぬるいビールを流し込む。
 そしてシートを倒して横になるのだが、次々と駐車場に入ってくる車のヘッドライトの光とエンジン音が気になり、眠れたものではない。
 
 ウトウトしたかしないうちに、辺りは白み始め、出発時刻になる。
 登り始めてから10分も経たないのに、呼吸が激しくなり、吐く息はアルコール臭い。
 五感は鈍ったままで、皮膚をつねっても痛くない状態だ。
 しかもたちが悪いのは、睡眠不足は睡眠を取る以外、解決方法はない。
 登山者は山歩きの長い初日を、睡眠不足という負い目を背負ったまま、歩き続けることになる。
 
 早発早着という山歩きの原則は確かにある。
 しかし、山歩きの目的のひとつは、健康増進にあるはずだ。
 そのためには、出発前の快眠、快食、快便が条件になることは間違いない。
 駐車場を確保し、早発早着しようとする気持ちは分かるが、それに支払う代償は、大き過ぎないだろうか。
 
 例えば、日光男体山登山のための二荒山神社中宮祠の無料駐車場は、シーズン中、暗いうちから満車となる。
 だが、ここから歩いて10分程度の中禅寺湖畔に一日310円の駐車場はいくらでもある。
 有料駐車場の利用は午前7時からだ。
 徹夜で午前5時半から登り始めるのと、家で十分な睡眠を取って7時過ぎから登るのと、どちらがいいだろうか。
 男体山の平均的な所要時間は登り4時間、下り3時間だ。
 この間に、睡眠組は徹夜組を抜かしても、不思議ではない。
 確かに、7時過ぎから登り始めて日が明るいうちに下山できるか心配な人もいるだろう。
 ただ、その人たちは、徹夜で5時半に登り始めても、ちゃんと下山できるかは疑問だ。
 
 那須岳登山口の峠の茶屋駐車場でも、シーズンの土日は午前5時には満車となる。
 ここが満車だとその下のロープウエイ駐車場、それもダメだと更に下の大丸温泉駐車場となる。
 大丸温泉駐車場は、満車となることはまずない。
 車で走ると大丸から峠の茶屋まではヘアピンカーブを何度も登っているので、あそこを徒歩で行けばうんざりするかと思うけれど、実際は車道をショートカットする歩道があり、たいしたことはない。
 登り30分、下り20分を見れば、十分だろう。
 大丸温泉駐車場に車を置けば、三本槍からの中の大倉尾根を通り、北温泉を経由する周回コースを取ることも可能だ。
 
 更に難関の燕岳登山口、中房温泉駐車場の場合を考えてみる。
 ここは、第1から第3駐車場に停められなかった場合、路駐となるので深刻だ。
 脚に自信がある人は、日曜日の午前9時以降に着くようにしてみてはいかがだろう。
 土曜日から燕山荘に泊まった人が、朝一番で下るので、その車の空いた後を狙うわけだ。
 下りが速い人なら、燕山荘から駐車場まで2〜3時間で着く。
 駐車場の入り口でしばらく待ち、車が出たらすぐに入れればいい。
 ただこれは、日帰りならかなりの健脚の人か、翌月曜日まで山中に居られる人に限るし、駐車場が確実に空く保証もない。
 
posted by 高尾評論 at 22:46| 東京 ☀| Comment(0) | 山の常識を疑う | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月20日

電車、バスの中で

山慣れしていると見られる人


1.朝早い時間帯の電車に乗っている
 
 山歩きは早発早着が原則

2.一番前の車両に乗っている
 
 京王線も中央線も、上りも下りも、一番前が比較的空いている。

3.電車の回数券を持っている
 
 よく登っている証拠

4.西東京バスの陣馬高原線で臨時急行バスに乗らない
 臨時急行バスが満員でも、すぐ後に発車する定期バスが空いていることはよくある。
 到着時刻もほとんど変わらない。

5.スマホで天気予報を見ている
 天気予報はどんな山でも必見。朝5時、気象庁発表の予報は見ておきたい。

6.電車が多摩川鉄橋を渡るとき、山の状態を確認する
 
 これから登る山がどんな状態か、場合によってはコースを変更する柔軟性も持ちたい。

7.座っている姿勢、立っている姿勢が良い
 腰骨を立てる。
 姿勢は山歩きの基本中の基本だが、意外におろそかにされている。

 
8.降りる駅の近くで、日焼け止めを塗り、靴紐を結び直し、水を一口飲む
 落ち着きがないと言ってしまえばそれまでだが、時間は大事。
 中には電車の中で弁当を食べたり準備体操をするツワモノもいる。

9.ペットボトルのシールが剥いてある
 ペットボトルの表面のシール、たかが数グラムだが、軽量化は大切。
 財布の中身や鍵でも余分なものは持たないようにしよう。
 みみっちい話だが、山歩きはみみっちい事の積み重ねだ。

10.電車を降りる直前で服を一枚脱ぐ
 電車を降りる前に一枚着るのが普通だろう。
 しかし山歩きをし始めると、5分もしないうちに体が温まり、結局は脱ぐことになる。
 ただ持病がある人には勧められない。

11.腕時計を衣類の上につけている。
 金属ベルトではそうはいかないが、長袖の服の上に腕時計を付けると、直ぐに見られる。
 特に冬は長袖や手袋をめくることから解放される。

12.駅の階段はゆっくりと登る
 普段歩くペースで階段を上ると、心拍数も呼吸数も急上昇する。
 体力は温存しよう。

13.守屋地図を持っている
 知る人ぞ知る、詳細地図。
 マイナーコースを歩くときの必需品


山慣れしていないと見られる人


1.Gパン又はぴちっとした綿パンを履いている
 
 汗や雨で濡れたとき、足が上がらなくなる。

2.駅の階段を一段置きで上り下りする
 本人は得意気なのかもしれないが、トレランを含め、大股での山歩きはあり得ない。
 体力の発揮は山に入ってから、それまでは体力を温存しよう。

3.リュックサックに物が全部入らない
 無理やり押し込んで、リュックをパンパンにしても、背中がゴロンゴロンして不愉快極まりない。
 トレランの人に限っては、余分なものはコインロッカーに入れるので例外。

4.尻リュック状態
 ここは渋谷でも原宿でもない。
 肩こりの原因に。

5.分厚い本を持っている
 二宮尊徳先生が高尾登山
 新聞紙は他に使い道があるので良しとする

6.階段を下るとき、一歩ずつ後傾になる。
 山道ならもっと後傾になるだろう
 そして尻もちをつくことになる。

7.足を「ハ」の字にして座る
 本人から見て「ハ」の字、つまり踵を離し、つま先をつけた状態で座席に座っている。
 山の登りでは足の裏全体を付けて登るため、踵が自由になる「逆ハ」の字が有利。
 また、「ハ」の字型は、山の下りで捻挫のもととなる。
 生まれつき足の構造が「ハ」の字型になっている人はいるが、可能ならば少しでも矯正しておこう

8.足の小指側に重心がある
 これも女性に多い。
 一歩を出すたびに状態が左右にぶれる。
「ハ」の字型で小指重心だと、捻挫の危険性がさらに高くなる。

9.腕時計の文字盤を手のひら側にはめている。
 昔、女性はこうすべきだと言われたのかもしれない。
 手首の内側には動脈が走っている。
 文字盤で皮膚を切ったり、手首の中にめり込んだ場合、大けがになる可能性が高い。

10.ストックがリュックから大きくはみ出している
 他人とのトラブルが嫌いならやめておこう。

11.駅のホームや階段で横に広がって歩く
 山道でこれをやると、大名行列になる。

posted by 高尾評論 at 21:19| 東京 ☔| Comment(0) | 山の常識を疑う | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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